本記事は、内藤誼人氏の著書『億万長者のすごい!習慣』(廣済堂出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

「顔だちのよさ」と「お金持ちのなりやすさ」は比例する

「顔だちのよさ」と「お金持ちのなりやすさ」は比例する
(画像=oneinchpunch/stock.adobe.com)

「私が、もっとイケメンだったら、契約もバンバンとれたのに……」
「私が、とびきりの美人なら、みんながチヤホヤしてくれるはずなのに……」

たいていの人は、だれでも多少は自分の顔だちに不満を持っているものである。自分の顔だちに絶対の自信を持っているのは、ごくごく一握りのナルシストにすぎないのではないだろうか。たいていの人は、そこまで自分の顔に自信を持っていない。

残念ながら、「顔だちがいいほど、お金持ちになりやすい」というのは事実である。

「ほら、やっぱりね」と思われるかもしれないが、世の中というのは、まことに不公平なものなのである。

ミシガン大学のデブラ・アンバーソンは、3,692の世帯に調査員たちを送り込んで、各世帯の年収を教えてもらった。その際、調査員たちは、回答してくれた人物が「ハンサム」か「美人」かについても、こっそりと5点満点で得点をつけていった。

このやり方だと、顔だちの魅力の得点のつけ方が、調査員の主観に左右されてしまうのではないかと思われるかもしれないが、どんな人がハンサムで美人なのかは、きわめてコンセンサスが高いことがわかっている。つまり、Aという調査員が「美人」とつけている人は、他のBやCの調査員に判断させても、やはり「美人」と評価されることが多いので、そんなに主観的なものでもないのである。

さて、気になる結果はというと、つぎのようになったという。

とてもハンサム(美人) 平均以上 平均的 平均以下 ブサイク(homely)
世帯の収入 1万8,456 1万8,370 1万6,480 1万4,840 1万3,130
本人の収入 1万340 9,087 9,043 8,000 7,082
*単位はドル(出典:Umberson,D., et al.,1987)

世帯の収入のほうには、パートナーの収入が含まれてしまうので正確にはわからないが、本人の収入を見てもらえればわかる通り、調査員に「とてもハンサム」と評価された人は、「平均以下」や「ブサイク」と評価された人に比べて、2,000ドル以上も収入が多いことがわかる。

「やっぱり神さまって不公平だよなあ」と文句のひとつも言いたくなるところではあるが、こればかりはもうどうしようもない、と割り切るしかない。もし、どうしても自分の顔だちに自信がないのであれば、いっそのことつぎに述べるように美容整形を受けるのもいいであろう。

美容手術を受けるだけで、収入は高くなる

顔だちがよければ、それだけトクをすることは言うまでもない。では、生まれつきの顔だちが平凡でも、美容整形を受けたらどうなるのだろう。

美容整形を受けて、顔だちがよくなればトクをするのであろうか。

結論から言えば、まさしく「イエス」である。

カリフォルニア州立大学のシェリー・エリクセンは、美容整形を受けた人と、受けていない人の収入を比較し、美容整形を受けたグループのほうが圧倒的に収入が高くなるという結果を得ている。

ただしエリクセンによると、美容整形が収入を押し上げるのは、単純に「顔だちが魅力的になったから」という理由のほかに、「本人に自信もついたから」という理由を挙げている。

美容整形を受ける前には、どうしても引っ込み思案で、自分に自信を持てなかった人が、美容整形をきっかけにして、自分に自信が持てるようになり、堂々とした態度で大胆に振る舞うことができるようになるので、収入もアップするようになった、という可能性も考えられるのである。

美容整形を受ければ、顔だちも魅力的になるし、自分に自信を持てるようにもなる。そのため、どうしても自分の顔に自信が持てないのであれば、美容整形を受けるのもひとつの作戦としてアリではないかと思う。

「親からもらった大切な顔に、メスを入れたくはない」という気持ちは心情的によく理解できるのであるが、美容整形を受けることによって本人が幸せな人生を歩めるようになるのであれば、親としても本望ではないかと思う。

自分の息子や娘が不器量な顔だちを気にして、一生、不幸な人生を送ることなど、親は望んでいない。いっそのこと美容整形を受けてもらって、幸せになってもらったほうが、親としても満足であろう。

美容整形に対して抵抗感の少ない韓国などでは、親が大学合格の記念にと、子どもに美容整形を受けさせてあげるという話を聞いたことがあるが、これも悪いことではない。子どもが将来的に有利になってほしいという親心であろう。

「人間は顔じゃない」とはよく言われるものの、現実には、顔がモノを言うことは疑いない事実であり、データをとってみれば、顔だちがいい人のほうが確実に収入も多いということがあきらかな以上、顔だちをよくするための美容整形についても、私はアリではないかと思うのだ。

もちろん、顔だちだけですべてが決まるわけではなく、「見た目」もまた重要である。これについては項目を改めて論じよう。

見た目の美しさのプレミアムは、収入のプレミアムにもなる

見た目は、できるだけ魅力的に見えたほうがいい。なぜなら、見た目がよければそれだけ、給料についてもプレミアムが受けられるからである。これを、ハーバード大学のマークス・モビウスは、「ビューティ・プレミアム」と呼んでいる。

ただし、ここで誤解してほしくないのは、単なる〝顔だち〞の話ではないということだ。もちろん、生まれつき整った顔だちをしていれば、男性でも、女性でも、特別な努力を何もしなくとも、プレミアムは受けられるであろう。

しかし、ごく平凡な顔だちの人ではプレミアムが受けられないのかというと、そういうことではない。普通の人でも、見た目を磨くために努力をすれば、だれでも「プレミアムは受けられる」のである。

がむしゃらに仕事をしていれば、少しくらい服装が汚らしくても、髪の毛がベタベタしていても許されたのは昔の話だ。今の時代では、通用しない。見た目が悪い人と、一緒に仕事をしたいという人はいないから、そういう人は敬遠されやすくなる。人に敬遠されていたら、当然、お金も稼げない。

いつでも清潔感を与えるかなめ は、きれいな服装をし肌もツヤツヤして見えるようにクリームを塗るなど、きちんと手入れをすればするほどビューティ・プレミアムは受けられる。顔だちが美人であるとか、ハンサムであること以上に、こちらのほうが重要だったりする。

テキサス大学のダニエル・ハマーメッシュは、週に30時間以上働いている853名の調査を行なっているが、服装や化粧品にお金をかける人は、かけない人より収入が15%以上も高かったそうである。

面白いもので、客観的に美しいかどうかよりも、本人の「思い込み」も重要である。服装に気を配る人は、「これだけ自分は身なりに気をつけているのだから、ものすごく魅力的に見えるはず」という思い込みを強化することができる。

ハマーメッシュによると、5段階評価で自分の魅力を聞いた結果、上位35%に入る人は、収入がさらに約10%高くなったそうである。この場合の魅力は、あくまでも「自己評価」であり、「思い込み」なのだが、「私は魅力的」と考えている人は、収入がさらに高くなるのだ。

もちろん、見た目が重要だとはいっても、高いブランド品の洋服を上から下までそろえるとか、高級な化粧品を使うとか、そういうことではない。お金をかけなくとも、清潔感を与えて好印象を抱かせる服装はいくらでもある。ファッション雑誌などで着こなしの勉強をすれば、お金をかけずに魅力を高めることは可能だ。

できるだけ明るく、さわやかで、人が近づきやすい雰囲気になるように、見た目にもこだわろう。見た目だけにこだわって、仕事のほうがおろそかになってしまったのでは本末転倒ではあるが、見た目にまったくこだわらないのは、もっとよくない。

中年だからこそ、見た目をよくする必要がある

「見た目が重要だといっても、それは女性のお話でしょ?」 「若い男のお話でしょ?」

そう思った読者がいるかもしれない。しかしそれは違う。見た目がモノを言うのは、女性だけではなく、男性もそうである。しかも、若い男性だけでなく、年配の人にとっても大切なのである。

「俺はもう立派な〝おじさん〞だから、見た目なんて関係ないんだよ」と考える人がいたら、それは違うのだと強く反論しておきたい。むしろ、「おじさんだからこそ重要」だと指摘しておこう。

ミシガン州立大学のジェフ・ビドルは、法学部の卒業生で弁護士になった人たちの年収を調べてみた。調べたグループは2つあり、1つは卒業後5年目のグループ。もう1つは卒業後15年目のグループである。

ビドルは、彼らの顔写真を使って、どれくらい魅力的なのかにひとりひとり得点をつけていった。それをもとに年収との関連を調べてみると、見た目のよい人は、卒業後5年目にはすでに年収が高いことがわかった。

では、卒業してから15年目のグループではどうだったのだろう。

さすがに中年になると、見た目もそんなに年収に影響を及ぼさないようになるのであろうか。仕事での経験などが評価されるようになって、見た目はあまりモノを言わなくなるのであろうか。

いやいや、そんなことはなかった。むしろ、卒業15年後のほうが、魅力の効果は増大していたのである。減少するどころか、むしろ増大していたのだ。

おじさんになると魅力が年収に関係しなくなるのかというと、そうはならない。むしろ、若いときよりも大切になる。若い人でも魅力に差があれば、年収にも差がつくが、中年になってくると、その差がより顕著に大きくなってあらわれるのだ。

どんな業界でもそうだと思うのだが、お金を稼いでいる人は、やっぱり見た目もいいのが普通である。「なんだかちょっと気持ち悪い人だな……」と感じさせるような人が信じられないくらいお金を稼いでいる、というケースはあまりない。

「なんだ、やっぱり見た目なのか……」とがっかりしないでほしい。

私は、魅力を磨くために、何も特別に大変な努力を払うべきだ、などとは言っていない。

月に一度は、必ず理容院で髪の毛を切ってもらってサッパリさせることや、スーツやシャツはこまめにクリーニングに出す、週に何度かは運動もして身体を整える、といった当たり前のことをしてほしいだけである。ヒゲや鼻毛が伸びていたら、それを剃ってほしい。鏡を見るたび、自分の見た目をチェックする。それくらいのことでいいのだ。

IBMが企業として成功したのは、厳格な服装規定があって、毎朝上司が、服装のチェックをするという慣例を持っていたからだといわれている。シャツはパリッとしているか、髪の毛の襟足は伸びていないか、ということをチェックすることで企業としても成長したのである。

ディズニーランドでも、現場に出るキャストたちは厳しく服装をチェックされるという話を聞いたことがあるが、見た目を整えることがとても大切だからであろう。

億万長者のすごい!習慣
内藤誼人(ないとう・よしひと)
心理学者。立正大学客員教授。
慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。アンギルド代表取締役。社会心理学の知見をベースに、ビジネスを中心とした実践的分野への応用に力を注ぐ心理学系アクティビスト。趣味は手品、昆虫採集、ガーデニング。
主な著書に、『モテる! 心理戦術』『好きな人のホンネがわかる恋愛術』『頭のいい人だけが知っている「ちょっとした成功習慣」』『すごい!ホメ方』『内藤式「ザ・検索術」』『自分偽装術<セルフ・カモフラージュ>』『絶対使える!悪魔の心理テクニック』『もらった名刺は、全部捨てろ!』『賛成と反対の法則』『勝てる! ギャンブル心理作戦』『感動させる技術』『イラッとしたときのとっさの対応術』『合コンで座るべき場所はどこか?』『なぜ、島田紳助は人の心をつかむのが上手いのか?』『女の「終電なくなっちゃった」はウソである』『なぜ、タモリさんは「人の懐」に入るのが上手いのか?』『「最強の男」になる心理術』『「不安」があなたを強くする』『交渉を成功させたいなら、赤いネクタイを身につけろ! 』『気づかれずに相手を動かす心の誘導術』『もっとすごい!ホメ方』『【図解】読心術<プロファイリング>トレーニング』『すごい!モテ方』『なぜ、マツコ・デラックスは言いたい放題でも人に好かれるのか?』『ワンピース超研究!人気キャラクターに学ぶ心理テクニック』『ヤバすぎる心理学』『すぐにヤラせてくれる女、絶対にヤラせてくれない女』『「すぐ他人に流されてしまう自分」がラクになる本』『心理学者しか知らない すごい!営業』『半沢直樹「倍返し」の心理学』(以上、廣済堂出版)など多数。著書は200冊以上、累計400万部を超えている。
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