映画を観ていると、ウイスキーが出てくるシーンに気づくことがありませんか?
主人公がバーでウイスキーを飲む姿やボトルが並んだシーンなど、かっこよくておしゃれというだけでなく、大人で洗練されたイメージが伝わってくるのではないでしょうか。

ウイスキーが好きな方にとっては、
「あの登場人物が飲んでいたカクテルはなんだろう」
「今、あの銘柄のボトルが映ったかな」
と気になってしまうはず。

そこで今回は、年間150本の映画を観る映画を愛するWhiskeen編集部である筆者が、映画好きの方やウイスキーの知識を深めたい方に向けて、ウイスキーが登場するおすすめ映画や、楽しみ方をご紹介します。

この記事の監修者

浅野まむ
(画像=「whiskeen」より引用)

浅野まむ

お酒とBarを愛しています。バーテンダー歴8年、現在ライター。ウィスキーエキスパート資格持ち。 1人で飲むのも、大勢で飲むのも、2人で飲むのも、なんでも好きです。

ウイスキーのストーリーが楽しめる映画/ウイスキーが登場する映画12選

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(画像=「whiskeen」より引用)

ウイスキーが登場する映画のジャンルは多岐にわたります。

今回は、歴史物からSF、ホラーまで、さまざまなジャンルからおすすめ映画を12作品ピックアップしました。
びっくりするような高級銘柄が映っている作品もあるので、映画を観ながら探してみるのも楽しいかもしれません。

また、ウイスキーをメインテーマにした映画だけでなく、小道具としてちらっと映るシーンがある映画も取り上げていますので、ぜひチェックしてみてください。

1.『007/スカイフォール』(2012年)

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(画像=出典:Skyfall | James Bond 007、「whiskeen」より引用)

大人気シリーズ「007」の23作目『007/スカイフォール』は、ウイスキーが出てくる映画として欠かせません。

には、「ザ・マッカラン 50年」が登場します。

「007」は、1962年から続く英国諜報エージェントの映画シリーズで、新作が出るたびに大きな話題を生む作品です。
ジェームズ・ボンドを演じた俳優はこれまで6人。
今回紹介する『007/スカイフォール』では、6代目のダニエル・クレイグが出演しています。
ダニエル・クレイグのボンドといえば、前々作『007/カジノ・ロワイヤル』のカクテルにまつわるセリフ「ウォッカ・マティーニを。ステアせずシェイクして」も有名です。

『007/スカイフォール』では、スコッチ「ザ・マッカラン 50年」が登場します。

さらに「ザ・マッカラン 50年」が登場するシーンのロケは、日本の軍艦島(長崎県)で行われています。
名シーンに日本が関わっているのは、日本人としては嬉しいポイントですね。

【小話】ジェームス・ボンドの出身は?

実は、原作でのジェームズ・ボンドの出身地はスコットランドですが、『007/スカイフォール』以前の映画では、ボンドのルーツはあまり語られてきませんでした。
しかし『007/スカイフォール』では、スコットランドが物語の重要なカギとなります。
この映画でスコッチウイスキーが登場するのは、必然といえるでしょう。

「ザ・マッカラン」映画『007』シリーズ60周年記念ボトル6種

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(画像=出典:「whiskeen」より引用)

2022年、映画『007』シリーズの60周年を記念して、「ザ・マッカラン」が6種類の限定銘柄の発売を発表しました。
1作目『007/ドクター・ノオ』が公開された1960年代から、10年ごとの年代をイメージしたシリーズです。
ラベルやボックスには、映画の製作で使われたスケッチや、コンセプトアートがあしらわれています。
ランナップは以下の通りです。

  • THE MACALLAN JAMES BOND 60TH ANNIVERSARY RELEASE, Decade I
  • THE MACALLAN JAMES BOND 60TH ANNIVERSARY RELEASE, Decade II
  • THE MACALLAN JAMES BOND 60TH ANNIVERSARY RELEASE, Decade III
  • THE MACALLAN JAMES BOND 60TH ANNIVERSARY RELEASE, Decade IV
  • THE MACALLAN JAMES BOND 60TH ANNIVERSARY RELEASE, Decade V
  • THE MACALLAN JAMES BOND 60TH ANNIVERSARY RELEASE, Decade VI

2.『ウイスキーと2人の花嫁』(2016年)

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(画像=出典:「whiskeen」より引用)

イギリスのコメディ映画『ウイスキーと2人の花嫁』は、第二次世界大戦中にスコットランド沖でウイスキーを積んだ貨物船が座礁した、実際の事件が元になっています。
本作品は1949年の映画『Whisky Galore!』(ウイスキー・ガロア)のリメイクで、訳は「ウイスキーがいっぱい」といったところでしょうか。

スコットランドの小さな島、トディー島では、戦時下でウイスキーの配給が断たれていました。
島の郵便局長ジョセフの2人の娘は結婚式を控えていましたが、お祝いのウイスキーなしには式が挙げられません。
そんな折、近くでウイスキーの貨物船が座礁。
「神様からの贈り物に違いない」と、島民はウイスキーの“救出”に乗り出すというストーリーです。

撮影は全編スコットランドで行われ、歴史的建造物や名所も観られます。

また、戦時下でウイスキーの入手が難しかった当時の状況など、ウイスキーにまつわる歴史も学べる映画です。

3.『アンタッチャブル』(1987年)

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(画像=出典:「whiskeen」より引用)

アメリカの禁酒法時代、酒の密造や販売で名を馳せたのがアル・カポネ。
『アンタッチャブル』は、そんなアル・カポネを題材にした映画の代表としてご紹介したい作品です。
1950年代に製作されたドラマ版をリメイクし、1987年に映画公開され大ヒットしました。

禁酒法を逆手に取り、ウイスキーを始めとする酒の密造・密輸で巨額の富を得ていたアル・カポネが、警察との攻防の末に失脚するまでを描いています。

カナダから密輸したウイスキーの樽が登場する場面では、銃撃戦で樽に穴が開き、中のウイスキーがこぼれてしまいます。
こぼれたウイスキーをカポネの部下の1人が手ですくってこっそり飲み、顔をほころばせるシーンが印象的です。

アル・カポネが密輸元のカナダのハイラムウォーカー社に特注していたのが、割れにくいボトル
『アンタッチャブル』にも出てきますが、当時の密輸ルートはどれもデコボコの山道でした。
険しい山道に揺られても割れにくい、扁平(へんぺい)な形のボトルで密輸を行っていたそうです。

アメリカのウイスキーの歴史は、禁酒法時代無しには語れません。
映画を楽しみながら、勉強してみてはいかがでしょうか。

4.『シャイニング』(1980年)

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(画像=出典:「whiskeen」より引用)

ホラー作品でウイスキーが登場する映画が『シャイニング』。
スタンリー・キューブリックの代表的な作品のひとつで、ホラーながら美しい映像が魅力的な映画です。

かつてアルコール中毒であった主人公・ジャック・トランスが、冬の間は閉鎖するホテルの管理人として、家族を連れて滞在します。
このホテルは、かつて精神に異常をきたした管理人が、一家を惨殺し自殺するという事件が起きたいわくつきの場所。
ジャックが徐々に正気を失っていく様子が、なんとも恐ろしい映画です。

ウイスキーが登場するのは、ホテル内のバーのシーン。
酒を絶っていたはずのジャックは、バーで出された「ジャックダニエル ブラック」を飲んでしまいます。
役名はジャック・トランス、演じた俳優はジャック・ニコルソン、ウイスキーは「ジャックダニエル」と3つの「ジャック」が重なるシーンでもある、注目シーンです。
このシーンでジャックが言うセリフが「酒は白人の呪いだ。インディアンは知らん。」という言葉。
舞台であるホテルがインディアンの墓地の上に建っているという設定や、移住してきた白人が先住民の主食であるトウモロコシを奪い、バーボンを造ったという歴史に触れている、印象深いセリフです。

『シャイニング』はストーリーに謎が多く、いまだにさまざまな解釈がされている映画です。
「ジャックダニエル」を飲みながらホラー映画の名作に浸ってみましょう。

5.『硫黄島からの手紙』(2006年)

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(画像=出典:【ワーナー公式】映画(ブルーレイ,DVD & 4K UHD/デジタル配信)|硫黄島からの手紙、「whiskeen」より引用)

日本軍とアメリカ軍の太平洋戦争の戦いのひとつ、硫黄島の戦いを描いたクリント・イーストウッド監督の映画です。
第二次世界大戦におけるアメリカ側の視点を描いた『父親たちの星条旗(2006)』との2部作で、『硫黄島からの手紙』は日本兵の視点から戦争を描いています。
アメリカ映画ながら、セリフのほとんどが日本語という特徴的な映画です。

2006年、小笠原諸島の硫黄島で大量の手紙が発見されます。
手紙の正体は、61年前に、この地で戦った日本軍の兵士たちが、家族に宛てて書いたものでした。
届かなかった手紙から、硫黄島の戦いに挑んだ兵士たちの心情が語られていくという形でストーリーが展開されます。

世界的俳優・渡辺謙の演じる栗林司令官が、部下とウイスキーを飲む場面に登場する銘柄が、「ジョニーウォーカー レッドラベル」です。
当時、ウイスキーは配給でしか手に入らず、輸入ものの「ジョニーウォーカー」は高級品だったでしょう。
将校クラスでなければ飲めないであろうウイスキーが登場していることで、ここでの会話が、いかに特別なのかが分かります。

6.『ブレードランナー』(1982年)/『ブレードランナー2049』(2017年)

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(画像=出典: ブレードランナー 2049 | ソニー・ピクチャーズ公式、「whiskeen」より引用)

SF映画の中からご紹介したいのが、1982年の『ブレードランナー』と、30年後の世界を描いた『ブレードランナー2049』のシリーズです。
1作目の主人公リック・デッカードを、ハリソン・フォードが2作目でも演じたことで話題になりました。

人造人間「レプリカント」の存在意義や人間との関わりを描いた重厚なストーリーと、美しい映像が楽しめる作品です。

2019年の地球が舞台の1作目、2049年が舞台の2作目でデッカードが飲んでいるのが、「ジョニーウォーカー ブラックラベル」です。
日本では「ジョニ黒」の愛称で親しまれています。


何といっても「ジョニーウォーカー ブラックラベル」が未来の商品として登場しているのが、おもしろいポイントです。
未来の物語である映画に出てくる「ジョニーウォーカー」のボトルは、通常の四角いものではなく、上下が膨らんだもの。

詳しく見てみましょう。

未来の「ジョニーウォーカー」

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(画像=出典:「whiskeen」より引用)

『ブレードランナー2049』の公開を記念し、発売された「ジョニーウォーカー ブラックラベル ディレクターズカット ブレードランナー 2049」。
映画に登場する未来の「ジョニーウォーカー」のボトルをイメージした、上下が角張って膨らんでいるボトルに入っています。

映画とお揃いのボトルのウイスキーを飲みながら『ブレードランナー』を観る、なんて体験もできそうですね。

7.『天使の分け前』(2012年)

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(画像=出典: The Angels’ Share – Wikipedia、「whiskeen」より引用)

『天使の分け前』は、ウイスキー造りをテーマにした映画です。
ウイスキー用語における「天使の分け前(Angel’s share)」とは、熟成の過程で樽の隙間から少しずつ蒸発するウイスキーのことです。

少し減っているウイスキーに対して、昔の職人たちは

「きっと天使がこっそり飲んでいるに違いない。しかし天使に分け前を与えているからこそおいしいウイスキーができる」

と考えていたといいます。

映画『天使の分け前』の舞台はスコットランド。
トラブルばかり起こしていた青年ロビーは、社会奉仕活動で出会った人物を通してウイスキーの魅力に引き込まれていきます。
ウイスキー造りによって、青年ロビーが徐々にテイスティングの才能を開花させていく、コメディ映画です。

ウイスキーが登場するだけではなく、ウイスキー造りが主題になっている映画は多くありません。
ウイスキー造りの魅力を知りたい方に、ぜひ観ていただきたい作品です。

8.『アルゴ』(2012年)

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(画像=出典:【ワーナー公式】映画(ブルーレイ,DVD & 4K UHD/デジタル配信)|アルゴ、「whiskeen」より引用)

『アルゴ』は、1979年に実際に起きた、在イランアメリカ大使館人質事件を題材にした映画です。
在イランアメリカ大使館人質事件とは、イランでの反米デモが激化し、テヘランのアメリカ大使館が占拠され52人のアメリカ大使館職員が人質となった事件。
映画では、占拠される直前に大使館を脱出し、近くのカナダ大使館の家にかくまわれた6人の救出を描いています。

主人公であるCIA職員のトニー・メンデスが、架空のSF映画「アルゴ」の撮影をでっち上げ、6人を撮影スタッフと偽って脱出させる作戦を立てることから話が展開されます。

映画『アルゴ』で登場するウイスキーは2つ。
まず、作戦の成功を目前にして大使館職員たちが楽しげにお酒を飲むシーンで、アイリッシュウイスキー「ジェムソン」が出てきます。

そして、主人公のトニー・メンデスが1人でやけ酒として飲んでいるのがシングルモルト「マッカラン」。
トニーは「マッカラン」をボトルから直接ラッパ飲みしています。
映画に登場する「マッカラン」は現行のラインナップには見られないスクリューキャップで、映画の舞台となった年代に合わせて用いられたと考えられます。

9.『グリーンブック』(2018年)

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(画像=「whiskeen」より引用)

『グリーンブック』も実話を基にした映画。
1962年のアメリカを舞台に人種差別を描いたストーリーです。
「グリーンブック」とは、アフリカ系アメリカ人が利用できるホテルなどをまとめた、ガイドブックを指します。
当時は有色人種が使える施設が制限されており、レストランや給油所、モーテルを見つけるためには必要な物でした。

ナイトクラブで用心棒をしていたイタリア系白人のトニー・リップは、アフリカ系のピアニスト、ドクター・シャーリーの運転手となり、演奏ツアーに同行することになります。
ドクター・シャーリーは、黒人差別が色濃く残っている南部へのツアーも強く希望していました。
道中で起こるさまざまな出来事が、2人の関係にも変化をもたらしていくというストーリーです。

映画『グリーンブック』でドクター・シャーリーが飲んでいるのが、スコッチウイスキーの「カティサーク」。
スコッチの中でも比較的ライトな味わいのウイスキーです。
ドクター・シャーリーは、毎晩「カティサーク」を1本飲み干します。
始めは1人で黙々とウイスキーを開けていましたが、次第にトニーと一緒に飲むようになります。

差別など重いテーマを扱った映画ですが、ドクター・シャーリーとトニーの掛け合いや、人種の違いを超えた友情など、心が温まるシーンも多いおすすめの映画です。

10.『キングスマン』(2014年)/『キングスマン ゴールデン・サークル』(2017年)

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(画像=出典:映画『キングスマン』オフィシャルサイト、「whiskeen」より引用)

テーラーで仕立てたスーツを着た、英国紳士の出立ちのスパイ組織のアクション映画です。

イギリスの架空の諜報機関「キングスマン」シリーズは全3作ですが、1作目の『キングスマン』に出てくるのがスコッチウイスキーの「ダルモア」。
しかも62年ものという高級銘柄です。

「ダルモア 62年」は世界に12本しかなく、オークションでは約1,725万円もの高額で落札されたこともあります。

『キングスマン』にはウイスキーの他にも、ワイン「シャトー・ラフィット・ロートシルト 1945年」や、ブランデー「ナポレオン 1815年」など高級なお酒がたくさん登場する点に注目です。

ちなみに、2作目『キングスマン ゴールデン・サークル』には、「ウイスキー」という名前の登場人物が出てきます。
「ウイスキー」は「キングスマン」の兄弟組織であるアメリカの諜報機関「ステイツマン」のメンバーで、本名は「ジャック・ダニエル」。

さらに、映画に登場するバーボンは、ウイスキー「ジャックダニエル」のメーカーであるブラウンフォーマン社が実際に製造しているのも、おもしろいポイントです。

映画にも登場した「オールドフォレスター ステイツマン」

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(画像=出典:「whiskeen」より引用)

2作目『キングスマン ゴールデン・サークル』で出てくるバーボン「オールドフォレスター ステイツマン」は、実際に商品として発売されています。

アメリカの諜報機関「ステイツマン」の表向きのビジネスは、ウイスキー製造。
映画にリアリティーを出すため、実在のバーボンの老舗ブラウンフォーマン社とコラボレーションしています。

映画の小道具としてだけではなく、実際に購入できる商品となっているため、ファンとしてはぜひ飲んでみたい1本です。

11.『ロスト・イン・トランスレーション』(2003年)

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(画像=出典:「whiskeen」より引用)

東京を舞台にしたアメリカの映画で、別の言語を翻訳する時に細かなニュアンスが失われてしまうこと(=ロスト・イン・トランスレーション)をテーマにしたヒューマンドラマです。

監督のソフィア・コッポラは、後述の映画『ゴッドファーザー』の監督フランシス・フォード・コッポラの娘です。

主人公のボブ・ハリスは落ち目のアメリカ人俳優。
日本でのウイスキーのCM撮影のオファーがあり来日しますが、言葉が通じないため意思疎通がうまくできず、ひとり寂しくホテルのバーで過ごしていました。
そこで出会った若いアメリカ人女性と会話をするところから、物語が展開していきます。

ボブがCM撮影をするのは、「サントリーウイスキー響17年」。
映画が公開された翌年の2004年、『ロスト・イン・トランスレーション』はアカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞の4部門にノミネートされ、脚本賞を受賞します。
偶然か同じ2004年、「サントリーウイスキー響30年」が国際的な品評会「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)」で、最高賞を受賞しました。

前年の2003年には「サントリーシングルモルトウイスキー山崎 12年」が同じ品評会で受賞したこともあり、ジャパニーズウイスキーが世界からの注目を一気に集めることとなります。

現在のジャパニーズウイスキーの世界的な人気に一役買っているといえるのが、映画『ロスト・イン・トランスレーション』でしょう。

12.『マザーウォーター』(2010年)

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(画像=出典:「whiskeen」より引用)

最後に、日本で製作された映画をご紹介します。
映画『かもめ食堂』と同じ製作チームが作った映画で、水にこだわりを持つ3人の女性が主人公となる映画『マザーウォーター』です。

3人のうちの1人、セツコが営んでいるのが、ウイスキーしか置いていないバー。
物臭なセツコがバーをやっているわけは、自分でもやっていけそうだと思ったから。
ウイスキーしか置いていないのは、横着だからだと映画内で語られています。
客に食べ物を出すことをすすめられても、却下するシーンからも納得です。

ウイスキーファンなら知ってのとおり、ウイスキー造りには良質な水が欠かせません。
セツコの他に登場するのが豆腐屋のハツミと、珈琲店のタカコ。
ものは違えど、いずれも水にこだわって作られており、映画のタイトルの由来となっていることがわかります。

バーと豆腐屋、珈琲店。
提供するものは違う3つの店を舞台に静かに語られる人間模様と、京都の街の様子も楽しめる映画です。