本記事は、ティモシー・オルセン氏の著書『アメリカの高校生が学んでいる投資の教科書』(SBクリエイティブ)の中から一部を抜粋・編集しています。

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(画像=Dmitry Lobanov)

現金はなぜ、王様なのか

現金はとても大切だ。そんなことは当たり前だと思うかもしれないが、なぜ現金は大切なのか、あなたはきちんと説明できるだろうか? 答えは、流動性が高いからだ。お店で何かを買うときに、株や債券で支払うことはできないが、現金ならいつでも支払いに使うことができる。これが、流動性が高いということだ。

ネット証券の口座や銀行口座にどれだけ資産があっても、資産残高のスクリーンショットや、銀行アプリの口座残高を見せたところで、現金の代わりに使うことはできない。たとえ億万長者でも、現金がなければ、スーパーで買い物もできないし、ガソリンスタンドで給油もできないということだ。

これはポートフォリオの大切な原則でもある。ポートフォリオには、普通預金などの形でつねに現金を組み込んでおかなければならない。そうすれば、現金が必要になったらすぐに使うことができる。

あなたはここで疑問に思っているかもしれない。「これは投資をすすめる本なのに、なぜ現金は王様だなどというのだろう」と。

株や投資信託と違い、現金は市場の乱高下に巻き込まれない。たとえば、新型コロナウイルスのパンデミックや、リーマン・ショックのときは、株価が大暴落して投資家は大きな痛手を受けた。そんなときでも、ポートフォリオにきちんと現金が組み込まれていれば、必要なものをその現金で買うことができる(ちなみに、買うものの中には株も含まれる。株価の暴落は、バーゲン価格で株を買うチャンスでもあるからだ)。あるいは、このような時期に辛抱強く現金を持ち続けていれば、次の投資のチャンスを確実につかむこともできるだろう。

また、ポートフォリオの「現金」の中には「現金同等物」も含まれることがある。現金同等物とは、現金と同等にきわめて流動性が高く、いつでも簡単に現金化できる金融商品のことで、MMFやアメリカ国債などが含まれる。

毎月の貯金計画を立てる

投資計画の最後のパートは毎月の貯金計画だ。貯金のルールが決まっていれば、着実にお金を増やしていくことができる。とりあえず、普通預金でも定期預金でもMMFでもいいので、利子のつく口座にはつねにお金を入れておくようにしよう。株や投資信託の投資でハイリターンを狙っている間も、それらの口座に入ったお金は複利で着実に利子を稼いでくれる。

毎月の貯金計画は必ず立てなければならない。そうでないと、毎月入ってきたお金をすべて使い切ってしまうことになる。すでに学んだように、複利の力はたしかに絶大だが、複利の力を活用するにはまず元手を貯める必要がある。週に100ドルでも、月に100ドルでもいいので、決まった額をきちんと積み立て貯金することが投資の第一歩だ。

アメリカの高校生が学んでいる投資の教科書
(画像=アメリカの高校生が学んでいる投資の教科書)
アメリカの高校生が学んでいる投資の教科書
ティモシー・オルセン
金融の専門知識が豊富な個人投資家。わずか13歳のときに、本書のオリジナル版である『The Teenage Investor』を出版し、現在の年齢は30代前半になる。同書は、ティーンエイジャーがティーンエイジャーに向けた書いた投資ガイドという点で画期的な一冊だった。本の出版以来、長年にわたってティーンを対象にした金融・投資教育の重要性を訴えてきた。ルイジアナ州立大学でファイナンスの学士号、ロヨラ大学ニューオーリンズ校で修士号をそれぞれ取得。多数の高校や会議で金融と投資に関する講演を行い、CNBCやブルームバーグをはじめとする金融情報のテレビ番組にもゲスト出演の経験がある。

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