本記事は、藤本壱氏の著書『株初心者も資産が増やせる高配当株投資』(自由国民社)の中から一部を抜粋・編集しています。

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(画像=buritora/stock.adobe.com)

株価低迷期の対処法

前項で述べたように、今後景気が悪化することによって、株式市場が低迷期に入る可能性もあります。高配当株投資をする前に、それも頭に入れておく必要があります。

■ 定期的に買い増しして平均買値を下げる

市場低迷期の1つの対処法は、有望な高配当株を定期的に買い増しすることです。ナンピン買いのような買い方になり、平均買値を下げることができます。そして、配当をもらいつつ、景気回復と株価上昇を待ちます。

この場合、「ドルコスト平均法」がよく使われますが、これは定期的に一定額ずつ買い増していく方法です。安い時期に多くの株数を買うことになるので、平均買値を下げやすくなります。

ただし、買い増しの途中で銘柄に大きな悪材料が出ると、かなりの損失を受ける恐れがあります。厳選した銘柄であっても複数銘柄に分散して、リスクを抑える必要があります。

■周期のある高配当株は秋に買って春に売る

日本の株式市場の動きを見ていると、秋から春にかけて上がりやすい傾向が見られます。

以下のようなことが重なって、傾向ができていると考えられます。


(1)3月決算企業が多いので、5月頃になると「決算発表まで様子を見たい」という投資家が増えて、慎重な動きになりやすい
(2)7〜8月には夏休みなどがあり、いわゆる夏枯れ相場で、出来高が細くなりやすい
(3)外国人投資家が夏場は買いを控えやすい

1990年から2017年の28年間の日経平均株価を対象に、その年の10月末と翌年4月末の株価から、秋から春での騰落率を求めてみると、図3-15のようになりました。28年のうち、プラスになったのが19年、マイナスになったのが9年で、秋から春にかけて上がりやすい傾向があることがわかります。

そこで、過去のチャートで銘柄の動きを見て、秋から春にかけて上昇し、夏頃から下がって秋に底を打つ傾向のある高配当株であれば、次の方法を取ることができます。

提供:ゴールデン・チャート社
(画像=株初心者も資産が増やせる高配当株投資)

(1)秋(10月〜11月頃)に買う
(2)3月末の決算期末に株を持ち続けて配当をもらう
(3)4月頃に売る

この方法だと、3月末と9月末の2回に分けて配当を出す銘柄では、3月末の配当しか得られないというデメリットがあります。しかし、株価が上がりやすい時期だけ保有することになるので、値上がり益が得やすくなるメリットがあります。もちろん、春以降も下がらずに上昇が期待できる場合は、そのまま持ち続けることを考えます。

なお、本書執筆時点では落ち着いてはいますが、これからは新型コロナウイルス感染症の流行状況なども常に注視していく必要があります。

株初心者も資産が増やせる高配当株投資
藤本壱
1969年兵庫県伊丹市生まれ。神戸大学工学部電子工学科を卒業後、パッケージソフトメーカーの開発職を経て、現在はパソコンおよびマネー関係の執筆活動のほか、ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)としても活動している。個人投資家としては、早くからパソコンとデータを駆使した詳細な分析で株式投資を実践している。
【最近の投資・マネー関連の著書】
「手堅く短期で効率よく稼ぐ 株カラ売り5つの戦術」「高配当・連続増配株投資の教科書」「実戦相場で勝つ! 株価チャート攻略ガイド」「実戦相場で勝つ! FXチャート攻略ガイド」(以上、自由国民社)、「Excelでここまでできる! 株式投資の分析&シミュレーション完全入門」(技術評論社)、「プロが教える! 金融商品の数値・計算メカニズム」(近代セールス社)などがある。

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