本記事は、藤本壱氏の著書『株初心者も資産が増やせる高配当株投資』(自由国民社)の中から一部を抜粋・編集しています。

資産運用
(画像=mapo/stock.adobe.com)

年金に頼れない時代の資産運用をどうするか

我が国では超低金利状態が長く続いています。銀行預金金利はほとんど0%で、預貯金でお金は増やせませんし、年金も若い層ほどますます頼りない存在となってきました。

■ ますます資産運用が必須の時代

実質収入が伸びない一方で、税金や社会保険料、医療費などの負担はますます増えています。2019年10月からは消費税率が10%になりました。

長い人生の間には大きなお金が必要になる局面がいくつかあります。例えば、家を建てるには数千万円が必要ですし、子どもの教育資金を大学卒業まで出すと、1人あたり平均で千数百万円がかかります。さらに、夫婦の老後資金も年金だけではとても十分とはいえません。2019年には、金融審議会の報告書を発端にした「老後資金2,000万円問題」が広く報道され、大きな話題となりました。

また、2020年2月から、新型コロナウイルスの世界的なパンデミックという未曽有の事態が起こりました。日本でも緊急事態宣言等により人の移動が制限され、飲食、観光、航空、鉄道、百貨店、小売りなどの業界を中心に売上げが激減して大打撃を受け、現在でも元に戻ってはいません。

以上のことからも、現在の日本では中長期的な資産運用を着実に行って資産を増やし、現役時代からしっかり蓄えておくことが必要です。実際、コロナ禍の後は若い世代でも投資を始める人が急増しています。

■ 日経平均は30年振りに3万円超え

超低金利状態の中でも、預金ではなく投資性がある金融商品に投資すれば、お金を増やせる可能性があります。例えば、100万円である金融商品を買った後、値上がりして200万円で売れば資金が2倍になります。

例えば、日本の有力商社の一角である伊藤忠商事(8001)の場合、2008年11月には安値で384円をつけたことがあります。一方、本記事執筆時点の株価は3,300円近辺で、8倍以上になっています(図0-1)。

提供:ゴールデン・チャート社
(画像=株初心者も資産が増やせる高配当株投資)

■ 投資信託よりもやっぱり株

投資性がある金融商品は株式以外にも、債券やFX、金、最近では暗号資産などいろいろあります。その中で比較的はじめやすいイメージがあるものに、「投資信託」があります。

投資信託の多くは株式を投資対象としており、現在は日本株の投資信託も価額が大きく上がっています。ただ、投資信託は運用をプロに任せられる一方で、購入時の手数料が比較的高く、また保有中は「信託報酬」という手数料を取られるなど、デメリットもあります。売買注文を出してから実際に注文が成立するまでに、少しタイムラグもあります。

一方、株式の個別銘柄に投資する場合だと、ネット証券でいつでも機動的に売買でき、手数料も非常に安く、また保有コストもかかりません。自分で投資する株式銘柄を探す必要はありますが、経済について知ったり考えたりする機会にもなり、チャレンジする価値は高いでしょう。

■ 時間をかけて計画的に増やす

短期間での資産形成は難しいですが、時間をかければ難易度は下がります。この「時間を味方につける」ことこそ、資産運用では重要なポイントです。若いうちから計画を立てて、時間をかければ、お金を増やすことは決して不可能ではありません。

例えば、毎月2万5,000円(年間30万円)ずつ、30年間積み立てながら運用していくとしましょう。何も運用せずにただ積み立てるだけだと、30万円×30年=900万円になります。

しかし、年3%複利で運用できれば、30年で約1,470万円になります。年5%なら約2,090万円、年10%なら約5,430万円と、大きく増やすことができます(図0-2)。

提供:ゴールデン・チャート社
(画像=株初心者も資産が増やせる高配当株投資)
株初心者も資産が増やせる高配当株投資
藤本壱
1969年兵庫県伊丹市生まれ。神戸大学工学部電子工学科を卒業後、パッケージソフトメーカーの開発職を経て、現在はパソコンおよびマネー関係の執筆活動のほか、ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)としても活動している。個人投資家としては、早くからパソコンとデータを駆使した詳細な分析で株式投資を実践している。
【最近の投資・マネー関連の著書】
「手堅く短期で効率よく稼ぐ 株カラ売り5つの戦術」「高配当・連続増配株投資の教科書」「実戦相場で勝つ! 株価チャート攻略ガイド」「実戦相場で勝つ! FXチャート攻略ガイド」(以上、自由国民社)、「Excelでここまでできる! 株式投資の分析&シミュレーション完全入門」(技術評論社)、「プロが教える! 金融商品の数値・計算メカニズム」(近代セールス社)などがある。

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