共働き夫婦が家を購入しようと考えた時、マンションと戸建てのどちらを選ぶべきなのでしょうか。また、事前にどのようなことを話し合っておけばいいのでしょうか。

今回は、マンションと戸建てのメリット・デメリット、共働き夫婦に適した間取り、住宅ローンを組む際の注意点、エリア選びのポイントなどを解説します。夫婦でしっかり話し合い、後悔のないマイホーム購入を実現しましょう。

共働き夫婦が家を購入する前に話し合うこと

共働き夫婦が家を購入する際の間取りや住宅ローンの注意点を解説
(画像=pitipat/stock.adobe.com)

夫婦で話し合うことなく住宅展示場や新築マンションの見学に出かけても、見るポイントが分からず、具体的に話が進まないことが多々あります。時間を有効活用するため、まずは夫婦でしっかり話し合ってからマイホーム計画を進めましょう。

理想の住まいについて

最初にお互いの理想の住まいについて語り合い、イメージを固めることが大切です。

マイホーム購入という同じ目標に向かっていても、夫婦でマイホームに求めるものが食い違っていることは少なくありません。

現在の住まいの不満をベースにすると、理想の暮らしを具体的にイメージしやすくなります。「広々としたLDKがいい」「洗面所に収納が欲しい」「性能の良い家に住みたい」「趣味部屋が欲しい」など、まずは予算を気にせず希望やアイデアを出してみましょう。

その上で優先順位まで決めておくと、マイホーム計画を立てやすくなります。

家族計画

マイホーム計画と家族計画は切っても切り離せません。家族計画で話し合うべき主なポイントは、子供とお互いの両親のことです。

まずは希望する子供の人数と出産時期について意見を出し合いましょう。妊娠中や産後は身体に大きな負担がかかるため、マイホーム購入の時期と重なるなら、ゆとりを持った計画にする必要があります。また、子供の人数によって、子供部屋の数や広さ、予算も変わってきます。

お互いの両親と将来的に同居するかどうかもこの機会に話し合っておきましょう。同居を予定しているなら、独立した和室を間取りに加えたり、リフォームを前提に間取りを考えたりする必要があります。

資金計画

理想の住まいや家族計画についてイメージが固まってきたら、予算についても話し合っておきましょう。

住宅ローンの返済額を考える際、現在の家賃が一つの目安になります。しかし、持家だと固定資産税や修繕費がかかります。現在の家賃と同額かそれ以上の住宅ローンを組んでしまうと、後々返済が負担になってしまうことがあるため、注意してください。

お互いの年齢や年収、昇給の見込み、働き方、育休取得の有無なども考慮しながら、現実的な予算を決めましょう。

マンションと戸建てのどっちを選ぶべき?

マイホームを購入するにあたり、マンションか戸建てかという問題は多くの人が最初に悩むポイントです。家を購入してから後悔しないためにも、それぞれのメリット・デメリットを押さえておくことが大切です。

マンションは掃除がラク

マンションには、1階と2階を行き来する必要がなく、掃除しやすいというメリットがあります。戸建てと比べると床面積も小さい傾向があり、コンパクトで効率的な暮らしを希望する人に向いています。24時間ゴミ出しできる物件もあり、多忙な共働き夫婦のライフスタイルに適しています。

また、マンションには駅近の物件も多く、車を所有していない人にとっては利便性が高いというメリットもあります。

戸建ては広さが魅力

戸建ては、マンションより広く、ゆとりのある生活を実現できることがメリットです。

子供が生まれてライフスタイルが変わると、住まいに求めるものも変わってきます。
家族の人数が増えてもゆったりくつろげるリビング、家族で一緒に料理できる多機能なキッチン、子供がのびのび遊べる中庭やバルコニーなど、住まいの希望を叶えやすいことも戸建てのメリットといえるでしょう。子供の泣き声や足音で苦情がこないか心配せずに暮らせるのも戸建ての良さといえます。

間取りに関する注意点

住宅展示場やマンションの見学では、つい漠然とした印象で良し悪しを判断してしまいがちですが、快適に暮らすためには間取りが重要です。ここでは、共働き夫婦が家を購入する際の間取りのチェックポイントを2つ紹介します。

家事の動線を重視すること

多忙な共働き夫婦にとって、家事動線のチェックは欠かせません。家事動線をチェックする際に注意したいのが、自分たちのライフスタイルとの相性です。家事を誰がいつ行うのか、日常の生活を朝から晩までイメージしてみてください。

「朝、料理しながら洗濯も終えたい」と考えているなら、キッチンと洗面所が近い間取りがおすすめです。料理を家族で一緒にするなら、大人二人がすれ違える広めのキッチンだと作業しやすくなります。また、洗面所やクローゼット、バルコニーの位置を見て、洗濯動線が短いかどうかもチェックしましょう。

家族計画も考慮すること

子供がまだ小さいなら、成長してから2部屋に区切れる2ドア1ルームの子供部屋が便利です。また、子供が大きくなると物が増えるため、収納に余裕を持たせておくことも大切です。

両親との同居が決まっているなら、両親の希望も聞いて、独立した個室を用意するとよいでしょう。同居するかどうか未定の場合、LDK併設の畳コーナーを作り、いずれ個室にできるようにしておくという方法もあります。

エリア選びのポイント

共働き夫婦は、家を購入するエリアをどのように選べばいいのでしょうか。エリアを選ぶ際の代表的な2つの視点を紹介します。

通勤の利便性を重視する

まず、お互いの通勤経路を考慮してエリアを決めましょう。通勤時間は家族と過ごせる時間に直結するので、渋滞の有無や乗り換えの手間も確認して無理のないエリアをピックアップしてください。

子育てのしやすさも確認

学校や公園、図書館など子育てに関連する施設もチェックしておきましょう。また、ハザードマップや学区を考慮してエリアを選ぶことも大切です。最近では子育て支援に力を入れている自治体があるため、自治体の取り組みを調べて、エリア選びに活かすのもよいでしょう。

住宅ローンに関する注意点

次に、共働き夫婦が家を購入するときの住宅ローンの注意点について解説します。

ペアローンで共有名義にするリスク

共働きなら、夫婦でそれぞれ住宅ローンを組むペアローンを利用できます。ペアローンなら、どちらか一方が通常の住宅ローンを組むより、多くの金額を借りられます。また、それぞれが住宅ローン控除を受けられる、それぞれが団信に加入できるというメリットもあります。

一方、夫婦のどちらかに万一のことがあった場合も、遺された方の住宅ローンの返済義務が残ってしまうという点には注意が必要です。
また、ペアローンで共有名義にしていると、離婚時にトラブルになることがあります。共有名義の物件は、お互いの同意がなければ売却できません。

リスクについても理解した上で、ペアローンを組むべきか判断してください。

収入合算する場合の注意点

ペアローン以外の借入額を増やす方法として、収入合算という選択肢もあります。収入合算とは、夫婦の収入を合算し、どちらか一方が住宅ローンを組む方法です。

収入合算なら、住宅ローンを組んだ方に万一のことがあったとき、住宅ローンの残債が0円になります。ただし、収入合算では、住宅ローンを組まなかった方は団信に加入できないため、万一のことがあった場合、住宅ローンを組んだ方が返済の負担を全て背負うことになります。

収入合算で住宅ローンを組む場合は、その点を踏まえて、必要に応じて保険の保障内容の見直しもあわせて行うとよいでしょう。

高額なローンを組むリスク

共働き夫婦だと収入や貯蓄に比較的余裕があり、色々と見学しているうちに予算がどんどん膨らんでしまうことがあります。しかし、高額なローンを組むと、将来的に返済が負担になる可能性があります。

妊娠や出産を機に妻が働けない期間ができたり、お互いの両親の介護が必要になったり、さまざまな状況を想定しておかなければなりません。子供の人数が増えると、教育費も重く家計にのしかかってきます。

収入や支出の変化を予測しながら、無理のない範囲でローンを組むことが大切です。

まとめ

せっかくマイホームを手に入れても、住宅ローンの返済が負担になると、理想の暮らしは実現しません。マイホームを購入して生活が苦しくなることがないよう、しっかり資金計画を立てましょう。

共働きで家の購入を検討しているなら、賃貸併用住宅という選択肢も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

賃貸併用住宅とは、マイホームと賃貸住宅が併設されている住宅のことです。例えば、1階部分は賃貸住宅にして第三者に貸し出し、2階部分をマイホームにして入居するといった形です。

賃貸併用住宅のメリットは、毎月の家賃収入を住宅ローンの返済に充てられることです。住宅ローンを完済した後は、家賃収入がそのまま自分たちの収入になります。

賃貸併用住宅「はたらくおうち」なら、入居者の募集や家賃の集金をプロに任せられるため、多忙な共働き夫婦でも大家さんになれます。

マイホーム購入と同時に資産形成も始められる「はたらくおうち」という選択肢をぜひ検討してみてください。
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(提供:賢いくらし研究所