この記事は2023年3月22日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Charnchai saeheng/stock.adobe.com)

2023年3月22日(水)の午前10時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

今週初マーケットの話題を集めたのが、クレディ・スイスの買収劇で話題になったAT1債。

スイスの金融機関大手クレディ・スイス・グループが19日(日)、同社が発行した劣後債の一種である「AT1債」について、約160億スイスフラン(約2.2兆円)分の価値をゼロにすると発表したことが、マーケットの注目を集めたわけだ。

AT1債とは銀行の財務が悪化した際に債券の保有者が損失を引き受ける債券だ。 国際的な規制で、銀行の自己資本として算入できることから発行が進んできた。 米ブルームバーグ通信によると、AT1債の市場規模は世界で約2750億ドルに達するという。

(出所:ブルームバーグ)

現在の為替相場の戦略やスタンス

株式より低リスクとされる社債での異例の巨額損失発生ということが、今週初のリスクオフの要因となり、米ドル/円は一時130.54円まで下落。

ただ昨日21日(火)の米国株は一転して続伸。各国当局による取り組みで金融業界の混乱は悪化を免れたとの見方が拡大し「恐怖指数」との異名を持つVIX指数が急落したことが要因。米2年債利回りは一時4.1823%まで反発している。呼応して米ドル/円は132円台を回復。

日本時間明日23日(木)未明はFOMCを控えている。コンセンサスは25bpの利上げ。FOMCを控えていることもあり短期では、130.54円でボトムアウトして米ドル/円は反発しているが、米2年債利回りの上値は限定的であることから、米ドル/円も戻り売りで臨みたい。

▽米ドル/円 の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。