2023年5月8日、新型コロナウイルス感染症(以下:新型コロナ)が季節性インフルエンザなどと同様に5類感染症に移行しました。これにより、2020年に端を発した世界的な新型コロナのパンデミック騒動は大きな節目を迎え、新型コロナとの共存を前提とした「Withコロナ」が現実味を帯びてきました。
感染症としての扱いは5類となりましたが、病気そのものの脅威がなくなったわけではありません。特に新型コロナは風邪やインフルエンザと症状に似ている部分があるため、見分けにくいとの声も聞かれます。
もちろん最終的には医師の診断が最も重要ですが、それ以前の段階で新型コロナと風邪、インフルエンザを見分ける目安だけでも知っておくと便利なので、本記事ではその見分け方の目安について解説します。
新型コロナ、風邪、インフルエンザは同じ経路で感染する
新型コロナ、風邪、そしてインフルエンザ。これらはいずれも「接触または飛沫を介した感染症」です。そのため、感染経路は基本的に同じです。
新型コロナのパンデミックが始まった時期から時間が経過し、変異株が蔓延した時期には「コロナはただの風邪」との声も聞かれるようになりました。ウイルス自体の弱毒化が進み、症状も風邪と似ていることからそのように考える人が出てきたのでしょう。
しかし、感染経路がほぼ同じで症状が似ているとはいえ、新型コロナは風邪やインフルエンザとは異なる病気です。その違いを知っておくことで、適切な初動対応をしやすくなります。
新型コロナの特徴
新型コロナの特徴をまとめると、以下のようになります。これらの症状に該当するものが多いほど、新型コロナへの感染が疑われます。
感染力が強く、意外なところで感染することがある
何度も変異を繰り返した結果、新型コロナはとても感染力の高いウイルスになっていることが分かっています。意外なところで感染した事例も多く、風邪やインフルエンザがうつるような行動をした心当たりがないのに症状が出ているのであれば、新型コロナの可能性があります。
症状の進行は緩やかだが、急激に重症化する事例がある
新型コロナは症状の進行があまり早くはありませんが、稀に急激な重症化をすることがあります。無症状の状態から急に肺炎に進行してしまうこともあります。
4日以上の発熱
風邪などで発熱をしたとしても一晩で熱が下がることが多いのですが、新型コロナは発熱期間が長いことが特徴の1つです。すでに対象から除外されていますが、以前は「37.5度以上の発熱が4日以上」がPCR検査を推奨する要件の1つでした。
味覚障害が起きることがある
特定の味覚が分かりにくくなったという話はコロナ禍のなかで、よく聞かれました。味覚障害や嗅覚障害は新型コロナ特有の症状なので、疑わしい場合は味覚や嗅覚が正常であるかどうか注意を払ってみてください。
風邪の特徴
続いて、風邪の症状として特に新型コロナと見分けやすいものを3つ紹介します。
局所的な症状が多い
新型コロナは症状が全身に及ぶことが多く、全身のだるさやしんどさが起きやすい特徴があります。それに対して風邪は鼻や喉など、局所的な部分に症状が顕著に表れやすく、局所的な症状だけの場合は風邪の可能性が高くなります。
症状の進行は緩やか
風邪は新型コロナと同様に、症状の進行が緩やかです。ただし新型コロナのように無症状から突然肺炎を併発するといったことは少なく、完治するまで症状の変化が緩やかになりやすい特徴があります。
この点はインフルエンザとも大きく異なる点なので、症状の進行が緩やかな場合は風邪か新型コロナの可能性が疑われます。
発熱するが微熱であることが多い
風邪をひいた場合には発熱する人が多いですが、風邪の発熱は比較的微熱であることが多く、発熱期間もそれほど長くはありません。
発熱時の体温が高い場合はインフルエンザ、発熱時の体温がそれほど高くはなくても4日以上に及ぶ場合は新型コロナの可能性があると考えると、風邪と見分けやすいでしょう。
インフルエンザの特徴
インフルエンザの特徴についても、押さえておきましょう。
局所+全身症状が大半
風邪の症状が局所的であるのに対して、インフルエンザは局所的な症状と全身症状が見られるケースが大半です。関節の痛みや全身の倦怠感などが目立つ場合はインフルエンザの可能性が高くなります。
症状の進行は急激
風邪の症状は緩やかに進行するのに対して、インフルエンザは急激に症状が進行します。発熱も高熱になりやすく、38度以上の高熱が出ることもあります。風邪よりも治癒までの期間が長めで、回復までにおおむね1週間程度を要します。
抗インフルエンザ薬での治療が可能
風邪薬は対症療法のためのものが基本ですが、インフルエンザには抗インフルエンザ薬があります。これらの薬を使用すると体内でのウイルス増殖を抑えることができるため、薬による治療が可能です。
新型コロナと他の病気との見分け方
前項で風邪とインフルエンザ、そして新型コロナの特徴について解説しました。何か症状が見られる場合はそれぞれの特徴に照らして見当をつけることはできると思いますが、ここではさらにこの3つの病気を見分けるポイントについて解説します。
もちろんこれらは目安となる情報なので、いずれかに感染した疑いがあると感じる場合は迷わず医師の診察を受けるようにしてください。
潜伏期間
3つの病気にはそれぞれ潜伏期間がありますが、何といっても新型コロナは潜伏期間が長いという大きな特徴があります。最長で14日間の潜伏期間があることで、コロナ禍が始まった当初は感染した人の隔離機関が14日間でした。症状が現れた日から逆算して感染が疑われる日が離れていれば、新型コロナの可能性が高くなります。
ただし、オミクロン株の潜伏期間は最大で7日間程度といわれているため、潜伏期間だけで他の病気と判別するのは難しくなってきています。
発熱期間が長い
風邪は微熱、インフルエンザは高熱という傾向がありますが、いずれも発熱期間はそれほど長くはありません。それに対して新型コロナは発熱期間が長く、4日程度発熱が続くと新型コロナの可能性が濃厚です。
味覚障害、嗅覚障害がある
味覚や嗅覚に異変を感じたら、それも新型コロナを疑ってみるべきでしょう。味覚障害や嗅覚障害は風邪やインフルエンザではあまり見られない症状なので、新型コロナの大きな特徴の1つです。3つの病気ではいずれも鼻水で鼻が詰まることがありますが、鼻が詰まっていないのにこれらの異変が起きると新型コロナの可能性が高くなります。
ただし、オミクロン株はあまり味覚や嗅覚の異変が起きにくいとされており、味覚や嗅覚に異常がないからといって新型コロナの可能性を排除できるわけではありません。
風邪、インフルエンザ、新型コロナともに予防法は同じ
症状が似ていて判別が難しい3つの病気ですが、それぞれの予防法にも共通している部分が多々あります。感染の疑いがある人はマスクをして飛沫が飛ぶことを防ぐのが周りへの感染拡大を予防するのに効果的ですし、外出から帰ってきたらうがいと手洗いをするといった基本も3つすべての病気に有効です。
新型コロナの予防においては3密(密接、密集、密閉)を回避することが有効であるとされてきましたが、これらの有効性は風邪やインフルエンザにも共通しています。いずれも決して難しいことではないので、日々の心がけで病気からしっかり身を守るようにしましょう。
(提供:Incomepress )
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