本記事は、加藤俊徳氏の著書『頭が良くなっていく人のすごい習慣』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

判断力
(画像=beeboys / stock.adobe.com)

能力別・頭がわるくなる習慣

判断力を下げる習慣

判断力は、望ましい事柄と望ましくない事柄を選り分けて比較する能力です。

奥さんに「何食べたい?」と聞かれるといつも「何でもいい」と答える、同僚とランチに行くと必ずみんなと同じメニューを頼むなど、日頃から自分で選ぶ・自分で比べるということをせず、他人任せにしていると判断力は落ちていきます。

パン1個買うにしても「どの店で買うか」「どの道を通って店に行くか」「どのパンを買うか」「どのレジに並ぶか」「現金払いにするか、キャッシュレスにするか」など、選択肢がたくさんあります。判断力を鍛えようと思えば、日常のあらゆる場面がチャンスになります。

しかし、睡眠不足などで前頭葉の働きが低下していると、そうしたチャンスを無意識のうちに避けてしまいます。

また、判断力があるように見えて実はそうでもない、というケースも見られます。

たとえば、「おすすめ」と聞くとすぐ買ってしまう人。即断即決で判断力が優れているように見えますが、実際には、情報を得てから最終判断にいたるまでの思考が短絡化しているんです。こういう人は、しばらく経ってから「しまった。もうちょっと考えてから決めればよかった」と後悔することが多くなります。

〈判断力を下げる習慣の例〉

  • 食事を終えたあと食器を片づけない
  • 初対面の人に必ず学歴や肩書きを訊く
  • 缶コーヒーのガブ飲み
  • 1年を通して季節感のない服を着ている
  • 短距離の移動でもタクシーを使う

説得力を下げる習慣

説得力とは、相手の話をよく聞いて理解し、整理して伝える能力です。

説得力は言語能力の問題だと思われがちですが、そうではありません。相手が何に困っているか、何を必要としているかを充分に理解した結果として出てきたものが言葉になるだけです。

たとえば、私のクリニックに「転職したい」という人が来たとしましょう。

今の会社を辞めたいなら辞表を出せば済むことで、わざわざ時間とお金をかけてクリニックに来る必要はありません。それでも来たということは、別に知りたい何かがあるはずです。

そこで私は本人の話に耳を傾けます。そして、なぜ今の会社を辞めて転職したくなったのか? 本当に辞めたいのか? 辞めたあとどうしたいのか? といった詳細を理解していきます。その結果、「ぜひ転職した方がいい」と言うべきか「辞めない方がいい」と言うべきかが明らかになり、相手にとって最適な答えを導くことができるんです。

相手への理解を抜きにした上辺だけの付き合いや、人と接すること自体を避けるのが習慣になっていると、説得力は身につきません。

また、正義感の無い人は説得力が生まれません。自分でいつも「正しさとはなにか」「どうすることが正しい行動なのか」を考え、自分の判断を客観視することで、確実に、説得力が上がります。

説得力を鍛えるためには、年齢・性別・文化的背景などが異なる人たちと交流し、自分が知っている人間のバリエーションを増やすことも大切です。生身の人間はもちろん、小説や映画などの登場人物も含めて、様々なタイプの人と出会うように努めましょう。

〈説得力を下げる習慣の例〉

  • 家族の話に「ああ」「そう」など生返事で応じる
  • 「どうでもいい」が口癖
  • 相手の発言をとりあえずおうむ返しする
  • 連絡手段がテキストのみ(電話・ビデオ通話を避ける)
  • 物の置き場所を決めず、あちこちに散乱させている
  • 正しさの有無に関係なく迎合する人
  • 流されやすい人

発想力を下げる習慣

発想力とは、新しいアイディアを生み出す能力です(実現するかどうかは関係ありません)。

“新しい” ことをしようというのですから、新鮮な情報に対して貪欲になる必要があります。

新鮮な情報をたくさん持っているのは、やはり自分より若い世代の人たちでしょう。

年下の人に教えを請うのは恥だとか照れ臭いとか言って避けるオジサンが多いですが、それこそ私が「オジサン脳」と呼んでいる状態です。

慣れ親しんだことだけを繰り返し、新しい情報を遠ざけていると、脳に刺激が入らないため、頭がわるくなっていきます。

やみくもに流行を追うわけではありませんが、最初に拒絶してしまったら何も始まりません。食わず嫌いで終わらせないで、とりあえず味見してみましょう。好きでなければ二度と食べなければいいだけです。

脳の性質上、未知の情報に対して興味を感じにくいのは当たり前なのですが、「発想力を上げるため」という目的を与えてやると、脳は動きやすくなります。

〈発想力を下げる習慣の例〉

  • 「行きつけの店」や「いつもの席」にこだわる
  • シャンプーなど日用品のブランドを変えない
  • デリバリーやコンビニ弁当ばかり食べる(自炊をしない)
  • 歩きながら、食べながらスマホを見る
  • 靴下を脱ぎっぱなしにする
  • カラオケのレパートリーが変わらない人
  • 一般論ばかり言い始める人

理解力を下げる習慣

理解力とは、物事の仕組みや筋道、言葉の意味、人の気持ち、その場の状況などがわかる能力です。

目や耳を通して得られた断片的な情報をそのまま受け取るだけでなく、分析したりつなぎ合わせたりして人の言葉や表情の裏にある想いを推測したり、振る舞いや服装などからその人の職業を推理する能力も含みます。

何がどこに置いてあるかわかる、という空間把握能力も理解力のひとつです。

理解力のない人は、見ているようで実は見ていない、聞いているようで実は聞いていない可能性があります。そもそも情報が不足していて、理解のしようがないのです。

また、外から入ってくる情報を処理するためには大量のエネルギーを必要とするため、脳が嫌がって「めんどくさい」と思いがちです。

そうすると、物事を深く考えなくなり、すでに知っている情報や身についている方法論だけで対処しようとしますので、「頭が固い」とか「考え方が古い」と言われるようになります。

つまり、自分のやり方に固執していると理解力が落ちるということ。先の発想力もそうですが、理解力を高めるためには新しい情報に興味をもつことがとても大事です。そのためには、最新の情報に耐えずアンテナを張って、大人の学びを継続できることが必要です。知らないことは謙虚に人から教えてもらいましょう。

〈理解力を下げる習慣の例〉

  • 衝動買いや無駄遣いが多い
  • 知らない漢字を調べずに平仮名で書く
  • 買い物はネット通販のみ(実店舗に行かない)
  • お掃除ロボットで掃除する(拭き掃除・掃き掃除をしない)
  • 美容院、理髪店に行くのが年に一度だけ
  • 習い事をしない
  • 知らないことをそのままにして調べない
ここがポイント
◎知らないうちに能力を下げている習慣がたくさんある。
頭が良くなっていく人のすごい習慣
加藤俊徳
脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社脳の学校代表。昭和大学客員教授。脳科学・MRI脳画像診断の専門家。脳番地トレーニング、脳科学音読法の提唱者。14歳のときに「脳を鍛える方法」を求めて医学部への進学を決意。1991年に、現在、世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測fNIRS(エフニルス)法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科でアルツハイマー病やMRI脳画像の研究に従事。ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。独自開発した加藤式MRI脳画像診断法を用いて、小児から超高齢者まで1万人以上を診断・治療。脳の成長段階、強み弱みの脳番地を診断し、脳番地トレーニング処方や進路・適職指導を行う。
著書に『ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング”』(大和出版)、『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』(ダイヤモンド社)、『一生頭がよくなり続けるすごい脳の使い方』(サンマーク出版)など多数。

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