本記事は、加藤俊徳氏の著書『頭が良くなっていく人のすごい習慣』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

散歩
(画像=joh.sch / stock.adobe.com)

散歩を日課にする

人は歩いて脳に情報を入れる

頭を良くする運動習慣の中でも特におすすめしたいのが「散歩」です。

歩くことで刺激されるのは運動系脳番地だけではありません。電柱などにぶつからないよう周囲に目を配ることで視覚系脳番地や理解系脳番地が鍛えられますし、車の音などに耳を澄ますことで聴覚系脳番地が刺激されます。

また、それらの情報をきっかけに感情が動いたり考えが浮かんだりすれば感情系脳番地、思考系脳番地も活性化します。

私は自他ともに認める散歩マニアで、自宅からクリニックまで毎朝1時間ほど歩いています。朝の散歩は脳を覚醒させる効果が絶大で、気になっていた課題の解決策が頭に浮かぶなど「ひらめき」を得ることも多いです。

実際、クリエイティブ系の仕事をしていて「アイディアに詰まると散歩に出る」という人はめずらしくないようです。楽聖こと作曲家のベートーヴェン、英国の大文豪ディケンズ、『進化論』のダーウィンなどが散歩マニアとして知られています。

1日8千歩を目安に

1日に歩く適量としては、ある時期さかんに「1万歩」が推奨されていましたが、特に根拠はないようです。

頭をよくするための散歩は、1日8,000歩(4キロメートル)程度がちょうどよいでしょう。

休みの日にはさらに距離を伸ばして、集中的に歩くとなおいいですね。1週間トータルで30キロメートル前後になるのが理想です。

日頃から歩き慣れていないと最初はキツく感じますが、ぜひやめないで続けてみてください。明らかに頭が良くなっていることが実感できるはずです。

たまに雨降りなどで歩かない日があると、イライラしたり考えがまとまらなかったりして、歩くことの効果がよくわかると思います。

ゆるゆる歩いた方がいい

減量目的のウォーキングではないので、一心不乱に歩くより、むしろのんびり歩いた方が、脳にとってよい刺激になります。

楽しみながら脳をより多く刺激するコツは、いくつか違うコースをつくっておくこと。

道そのものはひとつであっても、右側を歩くのと左側を歩くのとでは目に映るものが違います。私の場合は3つのメインコースがあって、その他に長めコース、短めコース、川沿いコースなどのオプションを用意しています。

また、季節に合わせて移りゆく街路樹の葉色、天候によって違う川の水位、飛んでいる虫や鳥たちの種類など、日々の変化に注目すると飽きずに続けられます。

さらに、散歩の途中に何らかの「お楽しみスポット」があるといいですね。美味しいパン屋さんに立ち寄ったり、お気に入りのカフェで休憩するなどの「ゆるさ」や「遊び」を持たせることが、脳の柔軟性を養います。

ここがポイント
◎毎日のんびり散歩を楽しもう。脳が広範囲に刺激され、おのずと頭が良くなっていく。
頭が良くなっていく人のすごい習慣
加藤俊徳
脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社脳の学校代表。昭和大学客員教授。脳科学・MRI脳画像診断の専門家。脳番地トレーニング、脳科学音読法の提唱者。14歳のときに「脳を鍛える方法」を求めて医学部への進学を決意。1991年に、現在、世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測fNIRS(エフニルス)法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科でアルツハイマー病やMRI脳画像の研究に従事。ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。独自開発した加藤式MRI脳画像診断法を用いて、小児から超高齢者まで1万人以上を診断・治療。脳の成長段階、強み弱みの脳番地を診断し、脳番地トレーニング処方や進路・適職指導を行う。
著書に『ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング”』(大和出版)、『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』(ダイヤモンド社)、『一生頭がよくなり続けるすごい脳の使い方』(サンマーク出版)など多数。

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