この記事は2023年11月1日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Engdao/stock.adobe.com)

2023年11月1日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

日銀の金融政策決定会合では、長期金利の上限1%をめどとしてYCC(イールドカーブ・コントロール)の更なる柔軟化を発表した。しかし、マーケットでは直前の観測報道でハードルが上がっていたため、思ったほどタカ派感がなく、円安で反応。

さらに植田日銀総裁の記者会見も引締めに向かう雰囲気は見られず、その後財務省が公表した為替介入実績でも10月初旬の急落が介入でなかったことがわかると円売りが更に加速し米ドル/円は一時151.70円付近まで上値を伸ばした。

そうした中、明日2日(木)日本時間未明にはFOMC、明後日3日(金)には米雇用統計とビッグイベントが多数控えており、神経質な展開が続くだろう。

また、本日1日(水)朝方、神田財務官は記者団に対して現在の状況は「ファンダメンタルズに合っていない」「為替介入に対してスタンバイしている」と発言。因みに神田財務官は昨年の円買い介入時にも直前に「スタンバイ」というワードを使っていただけに警戒感は高まっている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

昨日10月31日(火)が大相場だっただけに取り急ぎは次の展開を待ちたい。米ドル/円は介入への催促相場となればロングでついて行くが、介入が怖いので短期売買にはなるだろう。一方、スピード調整で下がってくれれば押し目を拾っていくイメージだ。

明日2日(木)のFOMCは据え置きが織り込まれており、無風で通過するかもしれないが、パウエルFRB議長の発言には耳を傾けておきたい。先月の米経済指標は雇用統計、CPI、小売売上高、GDPと文句なしの結果が続いているので「タカ」スタンスは崩せないと考えている。

▽米ドル/円 の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。