中小企業がブランド力を高める4つのポイント

経営資源が限られた中小企業は、大企業とは違った方向性でブランディングを進める必要がある。では、中小企業がブランド力を高めるにあたっては、具体的にどのような点を意識すれば良いのだろうか。

1.大企業にはない一貫性を活かす

大企業に比べると、中小企業はひとつのブランディング戦略に関わる人数が少ない。これはもちろん弱みだが、見方を変えれば「一貫性を保ちやすい」という強みにもなる。

例えば、企業ブランドや事業ブランド、商品ブランドに同じロゴなどを使えば、一貫性のある分かりやすいブランドとして消費者にイメージを与えられる。また、大人数での意識共有や方向性の統一なども必要ないため、中小企業ではスピーディーなブランディング戦略が可能になるだろう。

立ち上げるブランドの数を絞ることは、ブランディングのハードルを下げることにもつながる。一方で、大企業のような多角的なブランディング戦略は、豊富な経営資源がないと難しいので注意しておきたい。

2.できるだけ多くの部署や人材を巻き込む

中小企業はトップダウン型になりがちだが、ブランディングにおいてはできるだけ多くの部署や人材を巻き込むことが重要だ。社内が一丸となって取り組む体制を構築できれば、「関わることができる人数が少ない」という欠点を補える。

周りを巻き込むタイミングについては、前述の【STEP1】にあたる環境分析が望ましい。この段階で関係するすべての部署・人材を巻き込めば、自社が目指すべきブランドの姿が明確になるので、ブランディングの一貫性をより保ちやすくなる。

3.少予算でできるブランディング戦略を選ぶ

中小企業の場合は、できるだけコストを抑えたブランディング戦略を選ぶことも重視したい。例えば、テレビでは不特定多数の消費者にアプローチをかけられるが、CMを流すとなれば多くの費用が必要になってしまう。

そこで強く意識しておきたいポイントが、ターゲット層をしっかりと絞ることだ。年齢や性別に加えて、住んでいる地域や趣味、年収などを細かく絞ることで、より費用対効果の高い広告メディアを選べるようになる。

特に近年ではネット広告やSNS広告のターゲッティング精度が上がってきているため、ターゲット層さえ明確にできればコストを抑えることは難しくない。ただし、意図していないユーザーに広告が届くと、その分のコストが無駄になってしまうため、ターゲット層の設定はひとつずつ慎重に進めていこう。

4.ブランドを社内のいたるところに使う

ブランドを象徴するロゴやカラーは、目に見えるところに使うだけで消費者や取引先の印象を変えられる。例えば、以下のような2つの企業があった場合に、どっちの企業のほうが記憶に強く残るだろうか。

・商品やサービスにしかブランドのロゴをのせていないA社
・商品やサービスに加えて、社員の制服やホームページにもロゴをのせているB社

言うまでもなく、会社全体で統一感のあるB社のほうが記憶に残りやすいはずだ。つまり、作成したブランドは社内のいたるところに使うことで、ブランディングの効果を何倍にもできる。

では、世の中の企業はどのような場所にブランドを使っているのか、以下で一例を紹介しよう。

ブランド力とは? 成功事例から学ぶブランディングの必要性やポイント

上記のほか、企業によっては営業車や社用車にもロゴなどを入れている。注意して見てみると、企業のブランド名やロゴはさまざまなところに使われているため、まずは業界内や競合の企業が「どこにブランドを使っているか?」について調べてみよう。