今回は米Forbesに、「 世界で最も環境に優しい億万長者2013 World’s Greenest Billionaires 2013」と題された興味深い記事がありましたので、そのご紹介をさせてください

日本でも、2012年に上場した環境系ベンチャーの ユーグレナ(2931) が話題になるなど、環境関連のビジネスには注目が集まっています。

では、世界の億万長者達(資産10億ドル以上)は、環境保護や環境関連ビジネスにどのように取り組んでいるのでしょうか。
そのまとめをお届けしたいと思います。

【参考】

2013年版フォーブス億万長者トップ30[世界編]~バフェット氏の連続記録止まる~
2013年版フォーブス億万長者トップ20[国内編]~ランキングが語る栄枯盛衰~
この20年、億万長者の世界にはどんな変化があったのか1/3
2002年、グローバル化とIT革命が生んだ大富豪〜この20年、億万長者の世界にはどんな変化があったのか2/3〜
2012年、躍進する新興国とネット企業〜この20年、億万長者の世界にはどんな変化があったのか3/3〜
90年代、3つのバブルに揺られて〜この20年、日本の億万長者の世界にはどんな変化があったのか?1/2〜
いつかは来るバブルの終わり、その時資産を残す人と無くす人の違いとは?〜この20年、日本の億万長者の世界にはどんな変化があったのか2/2〜
中国でのビリオネアや富裕層の最新事情


◉クリーンテクノロジーベンチャーの現状


5年前、クリーンテクノロジー産業から大富豪が誕生するのではないかという見通しが広まっていました。創業したばかりのバイオ燃料会社が急速に資金提供を受け、新しい太陽光関連企業が広がり、景気も好調でした。
しかし、時を経た今、この短期的急成長の間に生まれた億万長者の大半(主に中国の少数の会社ですが)は、もはや億万長者ではありません。ソーラー株の多くは暴落し、創業者の純資産は南の国に持っていかれました。

「クリーンテクノロジー改革の目に見えない部分というのは、華々しいベンチャーキャピタリストを通過し、法人市場に移ったことです。これは、GE, General Motors、Siemens、Dow and DuPontといった大企業にとっては重要なことです。」とGreenBiz.com編集長ジョエル・マコワー氏は言います。

「発展途上国で拡大している起業家にとっては、電池、エネルギー貯蔵、水ろ過、脱塩技術は未開拓市場なので、やるべきことがたくさんあるのです。」


◉億万長者達の環境ビジネスへの取組み例


残念ながら驚くことではないのかもしれないですが、世界の億万長者1426名のうち、再生可能エネルギーの運営または土地保存の分野に関与している人たちは小規模です。

しかし、少数ながら熱心なグループも存在します。例えばPayPal社の前身であるX.com社を1999年に設立したイーロン・マスク氏や、ドイツのアロイス・ウッベン氏らは再生可能エネルギービジネスを創設、クリスティ・ウォルトン氏らはこうしたビジネスへの投資をおこなっています。

一方、CNN創業者のテッド・ターナー氏や、ルイス・ベーコン氏らは、大牧場飼育または保護に任せることで土地保存に関わっています。

また、ドイツのアロイス・ウッベン氏の推定30億ドルの純資産はすべて、1984年に彼が創設した風力タービンメーカーEnercon所有によるものです。Enerconは世界で5番目に大きな風力タービンメーカーにまで成長し、60%のドイツ市場シェアを獲得しています。2012年10月、61才のウッベン氏は健康上の理由からビジネスから手を引くと発表しました。