トルコリラ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「対円9年連続年足陰線、2024年第一週は8週ぶり陽線、継続出来るか」トルコリラ見通し

(通貨最下位、株価首位)   

予想レンジ トルコリラ/円4.3-5.3

*2024年第一週は8週ぶり陽線、継続出来るか
*2023年、対円では年初来31.93%安、9年連続年足陰線
*政策金利を2.5%引き上げ。7カ月連続の利上げ
*消費者物価、23年12月は64.77%上昇に拡大
*24年の成長とインフレ見通しは
*今週は11月失業率 鉱工業生産、経常収支、小売売上の発表
*スウェーデンの NATO 加盟は
*正統派経済政策は評価が高いがリラ上昇に繋がらず
*リラ安の最大要因は外貨預金が全預金の40%もあることだ
*S&Pはソブリン格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」に修正
*政府は2026年にインフレが一桁となると主張

(2023年、対円では年初来31.93%安、対ドルでは57.94%安)
 2023年のトルコリラは対円では年初来31.93%安、対ドルでは57.94%安。対円では9年連続年足陰線となった。株価指数(イスタンブール100)は35.6%高、
10年国債利回りは9.77%から27.16%へ上昇した。

 2024年年初は、昨年末とほぼ同レベルの安値圏で推移している。

(政策金利を2.5%引き上げ。7カ月連続の利上げ)
トルコ中銀は12月21日、政策金利を2.5%引き上げ42.5%とした。7カ月連続の利上げで政策金利は20年ぶりの高水準になった。利上げ幅は前回の5%から半分に縮小し、中銀は積極的な引き締めを「可能な限り早期に」終了するとの見通しを示した。
 ただ中銀は過去17年間で初めてトルコリラ預金買い取りオークションを実施した。「金融引き締めプロセスを支援するために自由に使える不胎化ツールを拡張することで量的引き締めを継続する」と述べた。
預金買い入れは市場の過剰流動性を減らすことを目的としている。

(消費者物価、23年12月は64.77%上昇に拡大)
 12月の消費者物価(CPI)の前年同月比上昇率は64.77%と、11月の61.98%から拡大した。最低賃金の大幅引き上げなどが要因で、今後も数カ月にわたって大きな上昇が続くと予想されている。
 前月比上昇率は2.93%と、11月の3.28%から鈍化した。急激な金融引き締めを受け、ここ数カ月は鈍化傾向にある。
  前年比上昇率が最大だったのはホテル・レストランで93.2%、次いで教育が82.1%。食品と非アルコール飲料は72.0%。
 中銀は長期にわたる金融緩和政策の後、昨年6月に方針を転換。インフレ抑制のために主要政策金利を累計34%引き上げた。中銀は引き締めサイクルをできるだけ早く終了すると説明している。

(中銀のインフレ見通し)
 中銀はインフレ率は引き続き拡大し、今年5月に70-75%程度でピークとなり、来年末には36%程度に鈍化すると予想した。

エコノミストは、冬期の天然ガス消費の増加や、24年の最低賃金の49%引き上げによって今後数カ月のインフレ率が押し上げられると見込んでいる。

 12月製造業PMIは47.4で11月の47.2から改善した。

(今週の経済指標)
今週は11月失業率 鉱工業生産、経常収支、小売売上の発表がある。

(スウェーデンの NATO 加盟は)
さてトルコ議会の外務委員会はスウェーデンの NATO 加盟を承認した。スウェーデンのNATO加盟申請は次に最終投票のためにトルコ大国民議会に提出されるが、具体的な時期はまだ明らかになっていない。外交で西側と強調することは経済関係でもメリットがある。

(2024年成長見通し)
 成長見通しは2023年が4.3%、2024年が2.6%。

テクニカル分析(トルコリラ/円)

8週ぶり陽線、継続出来るか

 日足、ボリバン3σ下限から反発、中位に近づく。1月4日-8日の上昇ラインがサポート、1月5日-8日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向く、20日線下向き
 週足、ボリバン下位も先週は8週ぶり陽線。12月25日週-1月2日週の上昇ラインがサポート。11月27日週-12月11日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線下向き。
月足、2σ下限近辺で推移。7月-8月の上昇ラインを下抜く。11月-12月の下降ラインが上値抵抗。
年足、9連続陰線。その間52円から4円台へ沈む。去年当初は僅かに陽転していたが3月から陰転。

トルコリラ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

メルハバ

モルガン・スタンレー、新興国通貨に対する見方が「弱気」から「中立」に

 モルガン・スタンレーは新興国通貨に対する見方が「弱気」から「中立」に変わったとした。トルコにも当てはまるかどうか。政府・中銀自らは正統派経済政策で効果が2024年後半に出るとしている。ただ数字的にはまだそれが現れてはいない。

情報提供元:FX湘南投資グループ
本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたしま す。また、本レポートに記載された意見や予測等は、今後予告なしに変更されることがございます。 なお、本レポートにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、FX湘南投資グループグならびに株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承願います。