少子化や働き方の多様化などで、優秀な人材確保に苦心している経営者もいるかもしれない。そのような場合、就活生が企業を選ぶ際にどのような点を重視するのか把握しておくことが大切だ。中小企業は、企業規模や知名度で大企業にかなわなくても優秀な人材を確保するためのヒントが見つかるかもしれない。
大企業にこだわる学生は少数派
まずは、企業選びの優先条件となりやすい企業規模から見ていこう。株式会社文化放送キャリアパートナーズが実施している「【2025卒】学生アンケート調査【11月版】」によると、就職先選びで大手企業にこだわるかの問いに「できれば大手企業に就職したい(56.7%)」と回答した就活生は過半数超だった。一方で「大手企業しか考えていない」と回答した就活生は11.0%と少数派である。
「企業規模にこだわらない(28.3%)」「中小企業に就職したい(2.4%)」 を合わせ、約3割は大手企業という条件を念頭に置いていないようだ。
「やりたいこと」ができる企業を選びたい
就活生は、どのような基準を企業選びの軸としているのだろうか。ここでは、前出の調査結果から企業選びの軸についてランキング形式で紹介する。
【就活生に聞いた企業選びの軸】(複数回答)
この結果より、就職先の安定性も大切だが、知名度やブランド力などよりも「やりたいこと」「自己成長できること」「活躍できること」などを重視する傾向にあることがわかる。
柔軟に働ける職場づくりを
今回紹介した調査結果からは「ワークライフバランス」や「働く場所」など仕事とプライベートの両立への希望もうかがえる。テレワークやリモートワークを導入するなど、優秀な人材確保に向けて従業員が仕事上やプライベートでやりたいことを実現できるような職場づくりを目指してみてはいかがだろうか。
著:續 恵美子
ファイナンシャルプランナー(CFP®)。生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。こうした経験をもとに、生きるうえで大切な夢とお金について伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などを行う。