災害は多くの場合、急にやってくる。とっさのことに何も持ち出せなかったという人も多いかもしれない。着の身着のままで避難して、預金通帳やキャッシュカード、現金も持っていない……。そうしたケースもあるだろう。また火災により現金が燃えてしまったなどというケースもあるかもしれない。そうした場合どうなるのだろうか。

覚えておきたい罹災時のお金の話 現金が燃えてしまったらどうなる?
(画像=Wagner/stock.adobe.com)

本人確認は必須だが柔軟に対応してくれる場合も

金融機関では預金通帳やキャッシュカードがない場合は、厳重な本人確認を行ない、本人という確認ができない場合は原則払い戻しには応じない。預金証書・通帳、届出の印鑑、および本人確認ができる資料(例えば運転免許証)等があればもちろん払い戻しに応じるが、ない場合でも本人確認ができれば払戻しは可能だ。

東日本大震災のときは、本人確認ができた場合10万円まで(ゆうちょ銀行は20万円まで)の払戻しに応じている。しかし、災害の規模によっては柔軟に対応してくれるケースもあるという。

現金が燃えてしまったら

火災の場合はもちろんのこと、地震による出火など二次的被害により家が燃えてしまうこともある。家から何も持ち出せない場合は現金も燃えてしまう。

・現金が燃えてしまった場合
紙幣や硬貨が燃えてしまった場合、完全な状態でなくとも一定の条件を満たすことで、新しい紙幣と交換できる。これは基本的には日銀の本支店で扱うとされている。

・損傷したお金の引換基準
損傷したお金の引換基準は以下の通り。

損傷したお金の引換基準

これは燃えたお金だけではなく、損傷したお金も同様だ。

火災に備えて現金は形の崩れないものに入れることも有効

私事ではあるが、筆者の家も燐家からの類焼により留守中に全焼してしまった。不幸中の幸いは誰も家にいなかったため、誰一人ケガをしなかったこと。ただ、当然家財はもとより、家にあった現金も燃えてしまった。

当時、両親は自営業をしていたこともあり金庫にはかなりのお金が入っていた。そのときは取引先の銀行が一時預かり、最終的には燃える前とほぼ同額のお金が戻ってきた。これは金庫にお金が入っていたため、灰になっても崩れることなく存在したからだろう。自宅に現金を置く際は缶など形の崩れないものに入れることをおすすめする。

文・しらいはるか(AFP)

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