地震などの災害は、いつ起きるかわからない。大きな災害が起きた場合、個人や企業に大きな影響を与え、最悪の場合、倒産もありえる。そのため「なにか備えをしておきたい」と考える経営者も多いだろう。そこで利用を検討したいのが、事業継続力強化計画認定制度である。本稿では、事業継続力強化計画認定制度について解説していく。
事業継続力強化計画認定制度とは
事業継続力強化計画認定制度 とは「事業継続力強化計画」の認定を受けた企業に対して、国の公的な支援が受けられる制度だ。防災を中心に中小企業が事業継続力を強化することを支援する目的として設けられた制度である。中小企業が事前に防災・減災計画を作成し、経済産業大臣の認定を受けると制度を利用できる。
本制度を利用すれば、防災・減災設備に対する税制措置や低利の融資、損害保険料等の割引といった優遇措置を受けることが可能だ。事業継続力強化計画認定制度を利用するには、まず中小企業庁が公表している策定の手引きなどを参考にしながら事業継続力強化計画を策定することから始める。事業継続力強化計画を策定したあとは、事業継続力強化計画電子システムから申請を行う。
認定を受けると認定通知書が交付される仕組みだ。
事業継続力強化計画認定制度利用のメリット
事業継続力強化計画認定制度を利用すると、次のようなメリットがある。
- 事業継続力強化計画認定のロゴマークを利用できる(HPなどでアピールが可能となる)
- 日本政策金融公庫や信用保証協会による信用保証で低利の融資を受けることができる
- 防災や減災設備に対する税制措置(特別償却が可能)
- ものづくり補助金や事業再構築補助金などの補助金で加点措置が受けられる
- 計画策定による損害保険料等の割引を受けることができる
事業継続力強化計画認定制度の利用を検討しよう
いつ起こるかわからない地震などの災害は、企業にとって大きなダメージになる可能性がある。しかし事業継続力強化計画認定制度を利用すれば、企業内で事前に防災や減災の対策を立てることができ地震が起こった際にも慌てずに対処が可能となる。しかも低利融資や税制措置の優遇などのメリットも受けることが可能だ。
大地震が起こった今だからこそ事業継続力強化計画認定制度の利用を検討しよう。
文・せがわ あき
会計事務所に10年勤務。その後、会計ソフトメーカーでの勤務を経て、現在は会計・税務・金融などをテーマにライティング活動を行う。会計事務所では、顧問先の会計業務や融資支援に従事。融資のための提出資料作成や融資・資金繰りのアドバイスなどを行う。会計ソフトメーカー時代には、お客様対応業務に加えてソフト開発にも携わり、お客様の声を製品に反映させる仕事に従事。