この記事は2024年1月31日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2024年1月31日(水)の午前10時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
昨年末、エコノミストの大半は、2024年の米ドル/円を「ドル安、円高」と予測。材料は、FRBの連続利下げと日銀の超金融緩和解除予想。ただ日本のデジタル赤字や貿易赤字が指摘される中、極端な円高にはならず、135円程度の円高予想が大半だった。
この予測の通り、昨年末は急速に円高が進行し、12月28日には140.25円付近まで米ドル/円は下落。しかし新年早々、米ドル/円が8円も急騰。材料は新NISAの外国株購入に伴う円売り、ドル金利の反発、日経平均の急騰などが挙げられる。
しかし今月後半の2週間は、いろんなニュースがあるにも関わらず、米ドル/円は146~148円での狭いレンジを激しく往来し、一転して神経質な相場展開となっている。
現在の為替相場の戦略やスタンス
2週間前の17日(水)のダボス会議でSNBが通貨高に懸念を表明し、スイスフランが急落するも、中東情勢悪化も影響したのか買い戻されている。
一時的にもボラティリティの高まりをみせ、トレンドを形成する可能性を示唆したのが日本円とスイスフランだが、まだ明確なトレンドが出ていない。先週からの下落でユーロもその可能性があるのだが、まだレンジ圏内での推移だ。
振り返ってみれば、昨年は米ドル/円、ユーロ/円、スイスフラン/円、英ポンド/円などの主要クロス円が1月に安値をつけ、その後続伸している。
ただ今年は、今月中旬に米ドル/円はすでに148.80円まで駆け上がっている。150円台は当局の介入懸念、そして152円には神田シーリングが控えているため、急騰は考えにくい。
そのため米ドル/円は148円台での高値追いをせず、押し目待ち。短期では、ECBの利下げを背景に、ユーロ/円の戻り売りだろうか。
▽米ドル/円 日足チャート
*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。