この記事は2024年5月15日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。

FXトレード戦略
(画像=Enrique/stock.adobe.com)

2024年5月15日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

米CPI待ちのマーケット。本日15日(水)日本時間夜の米CPI事前予想は、前年比+3.4%、コア指数は前年比+3.6%と、今月分については前回よりもインフレの鈍化が見込まれている。また、今週はFRB要人の発言予定もいくつかあり、中でも明後日17日(金)のウォラー理事の発言は注意しておきたい。

この一年、ウォラー理事の発言をきっかけにFOMCボードメンバーの方向が変わった場面があったためだ。仮に米CPI下振れとウォラー理事のハト派転換が重なる場合は、米ドル/円のトレンド転換にも準備が必要かもしれない。

現在の為替相場の戦略やスタンス

最近発表された米物価関連指標を見ると、ミシガン大学とNY連銀がそれぞれ公表した期待インフレ率は上振れしており、米国民はインフレを上向きで見ている。米CPIは出たとこ勝負になるのだが、マーケットの目線が少し上がっているので仮に下振れした場合、サプライズ感は大きいかもしれない。

介入については、イエレン米財務長官から「介入はまれであるべき」と3回目の注意勧告を受けており、やりにくい環境ではあるが、ピンポイントを狙ってくる可能性はあり、「ない」と決めつけるのは危険。

また、米ドル/円の戦略は日米金利差を背景にした押し目買いが引き続き正当化されるが、本日15日(水)の米CPIやFOMCボードメンバーの発言次第では、トレンドの転換点になることも想定しておきたい。

▽米ドル/円 の日足チャート

240515iguchiS
(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。