この記事は2024年5月16日(木)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「神田卓也氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=cassis/stock.adobe.com)

2024年5月16日(木)の10時時点に外為どっとコム総合研究所の神田卓也さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券を経て、1991年メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月外為どっとコム総合研究所入社。

現在の為替相場の傾向や相場観

注目が集まった米CPIは、概ね予想通りではあったものの前年比の伸びが3カ月ぶりに鈍化したことなどからインフレ圧力が緩和したと受け止められて米長期金利が低下。同時に発表された米4月小売売上高が市場予想を下回ったこともあってドルが大幅安となった。

米ドル/円は米CPIの発表前から断続的に売りが出ており、発表後にさらに売りが強まった格好だ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

本日16日(木)朝は153円台へとさらに下落しており、24時間前と比べてほぼ3円の大幅安となっている。

FRBは、利下げの前にインフレが継続的に鈍化していることを確認する必要があると表明しており、単月のCPI鈍化で利下げの前倒しを決断するとは思えない。そもそも、4月CPIではFRBが注目するスーパーコア(住宅を除いたサービス)が前年比+4.9%と先月の+4.8%から加速している。

これらを踏まえると、足元の市場の動きは過剰反応といわざるを得ない。こうした過剰反応が一巡すれば、米ドル/円は再び下値を切り上げる展開に戻ると見るが、それには多少の時間が必要で、かつ底打ち感の醸成が必要になるだろう。

ゴールデンウイーク中に介入騒動で一時割り込んだもののすぐに切り返した152円付近は強いサポートになると見ている。

▽米ドル/円 4時間足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。