この記事は2024年5月20日に「CAR and DRIVER」で公開された「ハイブリッドドライブを採用した初のポルシェ911のテストプログラムが完了。ワールドプレミアは5月28日を予告」を一部編集し、転載したものです。
ポルシェが本年5月28日のワールドプレミアを予定する、ハイブリッドドライブを搭載した新型911のテストプログラムを完了したと発表。市街地、カントリーロード、ワインディング、そしてサーキットにおける広範なテストでダイナミックな走りを確認。ニュルブルクリンクでは従来モデルを8.7秒上回る7分16秒934のラップタイムを記録
独ポルシェAGは2024年5月13日(現地時間)、ハイブリッドシステムを搭載した初の911のテストプログラムが完了したと発表。合わせて、本年5月28日の22時(日本時間)にデジタルワールドプレミアすると予告した。
現行の911(992)は2019年に発表されており、5年あまりが経過したことに加えて環境対応への取り組みも必須とされていることから、ハイブリッド化による大幅改良が予想されていた。そして広範なテストを経て、ついに911ハイブリッドの市販化を実施することとなったのである。
テストプログラムにおいては、市街地やカントリーロード、ワインディング、そしてサーキットにおける、500万kmを超えるテストでダイナミックな走りを確認。ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェでのテストでは、従来モデルを8.7秒上回る7分16秒934のラップタイムを記録する。また、テスト車両は標準ロードタイヤに加えて、数世代前からオプション設定している高速走行時のダウンフォースを高める固定式リアウイングを備えたエアロキットも装着し、ハイブリッドドライブとの組み合わせを見極めた。
テストにも参加した911および718モデルライン担当副社長のフランク・モーザー氏は、「当社のアイコンが61年の歴史の中で初めて、ハイブリッドドライブシステムを市販モデルの911に搭載します。この革新的なパフォーマンスハイブリッドは911をさらにダイナミックなものにします。私たちはドバイでのテストの最終段階のように、極寒の寒さから灼熱の暑さまで様々な事態を想定して、世界中のあらゆる条件下でテストを行いました。新型911は、ドライブトレインの負荷が高い峠道の過酷な状況でも、あるいはストップ&ゴーの多い市街地の交通環境でも、最も困難な課題を見事に克服しています。当社のエンジニアとテストドライバーは合計500万km以上の開発走行を記録しました」とコメント。
また、レーシングドライバーでポルシェブランドアンバサダーも務めるイェルク・ベルクマイスター氏は、「新しい911はサーキットでもかなり速くなりました。グリップの向上、パワーの大幅な増大、そしてパフォーマンスハイブリッドの自然なレスポンスも大きなメリットです」と語っている。
(提供:CAR and DRIVER)