この記事は2024年5月28日(火)に「羊飼いのFXブログ」公開された「志摩力男氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Have a nice day/stock.adobe.com)

2024年5月28日(火)の午後14時すぎに現役トレーダーの志摩力男さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

志摩力男
慶應義塾大学経済学部卒。1988年~1995年ゴールドマン・サックス、2006〜2008年ドイツ証券など、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任。そのあと、香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立後は世界各地のヘッジファンドや有力トレーダーと交流があり、現役トレーダーとして活躍中。

現在の為替相場の傾向や相場観

今週も先週同様、あまり経済指標がなく基本的に凪になるかと思っている。今週は31日(金)のPCEコア・デフレーターの発表があるくらいだが、来週以降、経済指標発表が数多く控えている。よって、そこで米国経済の状態をチェックして本格的に為替市場が動いていくのだと思っている。

現在、材料難ではあるが、31日(金)に月末のリバランスを迎える。米国株が好調なので、全体的にドル売りが予想される。おそらくユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルの上昇があるのだと思うが、米ドル/円に関して言えば、微妙かつ不透明。

しかし、何かあるとすればこちらもドル売りになると考えている。よって今週に関して言えば、米ドル/円の158円を超えての高値更新はないのではないだろうか。

現在の為替相場の戦略やスタンス

昨日27日(月)、日銀金融研究所主催の国際コンファランスがあった。その中で日銀の植田総裁、内田副総裁がそれぞれ挨拶および講演があったが、特にポイントは内田副総裁発言で「ついにこの25年、日本を悩ませてきた出口が見えてきた」と強調していた。

では出口が見えてきたので、ここでまちがいなく金利を2%に乗せるために金融緩和を続けるのか、それとも出口が見えてきたから正常化に向かっているのか、という解釈でマーケットは少し割れると思う。

ただ、海外勢などは正常化に向かっているという方向に目が行くので、やや円買いに走る人も出てくるかもしれない。JGBの金利動向を睨みながらだが、場合によっては少し、円の買い戻し局面もあるかもしれない。

ただし、内田氏の本音は、ここで金融緩和を緩めてはいけないという趣旨だと思うので、個人的にはさほど大きな円高にはならないと思っている。

▽米ドル/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。