この記事は2024年8月7日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Somchai/stock.adobe.com)

2024年8月7日(水)の午前11時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

一昨日5日(月)、日経平均の歴史的な暴落をうけて、デリバティブ市場では一時、1週間以内に米利下げがある確率が60%まで織り込まれる場面もあった。ただ日銀の追加利上げ観測でマーケットが急激にキャリートレードの解消を迫られただけで、緊急利下げまで織り込むのはちょっとやりすぎ。

ゴールドマン・サックス・グループのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は、米経済がリセッションに陥ることはないとの予想を示し、FOMCによる緊急利下げはないだろうとコメント。 こうした発言もあり、マーケットは徐々に落ち着きを取り戻し始めた。

現在の為替相場の戦略やスタンス

本日7日(水)午前10時30分頃の時点での日経平均は34,900円レベル。米ドル/円も145.50円レベルで徐々に流動性が回復。

月曜日の大暴落を経験したマーケットだが、今年の始値は日経平均が33,193円、米ドル/円は140.92円なので年初来の上げ幅をすべて失ったわけではない。そして新NISA絡みのオルカンへの投資が急激に冷え込んだわけでも、デジタル赤字が一挙に解消されたわけでもない。

つまり長期的には株高・円安トレンドは変わらず。しかし短期ではJPモルガン・チェースのストラテジストが指摘するように、円キャリートレードの巻き戻しはさらに進行する余地があるため警戒感が拭えず。

当面、米ドル/円は140~148円のレンジで激しく乱高下を繰り返しそうだ。マーケットはファンダメンタルズではなく、ポジション調整に終始しているため米ドル/円のスウィングトレードは避け、140~148円レンジでのデイトレ中心で臨みたい。

▽米ドル/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。