この記事は2024年12月4日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=angkhan/stock.adobe.com)

2024年12月4日(水)の午前10時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

韓国の尹錫悦大統領は、緊急の国民向けテレビ演説を行い「非常戒厳」を宣布したことで一気にリスクオフマーケットとなったが、その後尹大統領は非常戒厳を解除するとテレビで表明。

マーケットでは、発表後急落した米ドル/円、ユーロ/円は解除後反発。ただ米ドル/円は、150.00円台を回復できず149.55円レベルで推移。

韓国の非常戒厳と解除については、本日4日(水)朝、地上波を筆頭に頻繁に報道されているが、いきなりの非常戒厳だったため、個人的にはいまひとつ消化しきれず。

現在の為替相場の戦略やスタンス

現在、フランスの政治不安が高まったままである。

EU第2の経済大国フランスは今、クリスマスの奇跡がない限り、承認された予算も機能する政府もないまま新年を迎えるリスクに直面している。予算の繰り越しを可能にする特別法や、新首相や暫定首相の任命といった混乱を和らげるための制度はあるが、政治的な行き詰まりが巨額の負債と赤字に拍車をかけるにつれ、金融市場への圧力は高まるだろう。ブルームバーグ・エコノミクスは、財政調整が行われなければ、フランスの債務水準は急上昇し、2027年までに国内総生産(GDP)の120%を超える可能性があると推計している。

(出所:ブルームバーグ)

結果、仏10年債利回りの独10年債に対するプレミアムが拡大したまま。

ユーロ/円の週足チャートをチェックすると155.00~156.00円が過去強烈なサポートになっており(8月5日の株のクラッシュ時に、瞬間154.42円まで急落しているがこれは特例)、このレベルをクリアに割り込むと、下値余地は拡大する。

戦略的にはユーロ/米ドル、ユーロ/円の戻り売りで臨みたい。

▽ユーロ/円 週足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。