進行する円安相場の進行にあわせて、各社が対応を進めている。アベノミクスの一環で行われた日銀の量的・質的金融緩和と並行して進む円安傾向に対して、外国為替相場に大きく業績を左右させられる各社が、為替の悪影響を低減させるべく、着々と対応を進めている。

中小企業や輸入企業にとって厳しい円安相場だが、迅速に対応している企業もある。アサヒビールホールディングス <2502> の小路明善社長は6日、外貨調達について、従来は全体の3分の1程度だった為替予約の割合を2015年は7割強に引き上げたことを明らかにした。為替変動に対する損益の幅を小さくし、より経営計画の進行に集中していくためだ。

為替予約を有効に活用する企業は他にもある。家具・インテリア製造小売りチェーンであるニトリホールディングス <9843> もその一社だ、同社は、急激な円安進行で原材料費が上がる中でも快走を続け、27期連続増収増益を達成した。昨年の消費税増税、円安があった中でも、中間期(3~8月)は売上高が前年同期比約13%増の2108億円、営業利益も同20%増の374億円と伸びた。上期の既存店売上げは6%増、客単価も5.5%増と上昇している。開発輸入品が8割を超えているため、円安はかなりの負担になるはずだ。為替予約を早めにとっており昨年度は1ドル99円、今年度は1ドル101円と円安への対応を迅速化して影響緩和が図られているようだ。

2014年の年金改革や日銀の金融緩和といった、いわゆるアベノミクス政策の「第2の矢」によって作られた円安相場は昨年12月の衆議院解散で一度調整段階に入ったといえる。エコノミストは強気な予想が多く2015年にドル円は130円台に到達するという予想もなお多い。

ただ、2年間で約40円の急激な円安進行に伴って円安倒産も相次いでいる。円安倒産は中小・零細の輸入企業が多いため1件当たりの負債総額は小さいが、2007年からの4年かけて40円値上がりした円高時と比べて、倒産件数は3倍以上にも上る。

(ZUU online)

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