新しいフェーズに入ってきた小売業界 今後の展開は?
昨今の小売業界における大規模な再編・統合は、時代の流れであり、他業態を取り込む動きも今後急速にすすむだろう。さらに少子高齢化が進み、消費市場の縮小が悩みの地方では、統合は生き残りのための必要手段であり、大手グループの地方進出に抵抗したM&A・買収も活発化している。一つの例として北海道・東北を中心としたスーパーチェーン・アークスグループ <9948> は「地方シェア30%維持の必要性」をかかげ積極的なM&A・買収を推し進めてきた。さらには東日本進出を狙う動きもみられる。
しかし、消費者はスーパーの独自性を好み、選別した購買を実行する傾向もあり、さらにはデータ分析による商品の効率化と統一化は、間違えば購買意欲を抑えてしまうかもしれない。実のところ、首都圏には独自性の強い食品スーパーが存在し、統合による一本化は簡単にはいかないという見方もある。
2014年5月の会見でイオン・岡田社長は「消費者から見ると、足りない物はたくさんあると思う。そうしたものを中心にどんどんスーパー連合から商品の開発が提案されてくると思う。1都4県で今後、求められる商品を開発・販売することが重要」と述べているが、経営効率を高めかつ消費者の購買意欲をそそる、画期的な戦略も求められるところである。
(ZUU online)