リーマンショック後、いち早く実施したグループ再編が奏功

日立は、2008年秋のリーマンショックで大幅な減収減益に見舞われ、2009年3月期には7873億円という巨額の最終赤字となり、当時国内製造業で過去最大と言われる不名誉な数字を残すこととなった。こうしたことがきっかけとなり、経営陣の刷新とともに、いち早く主要グループ各社の再編に着手している。主要グループ40社のうち社会インフラに近いグループ会社は、本体に近づけその影響力を強化し、それ以外は遠ざけるといった集中と選択を徹底して行った。

日立情報システムズ、日立ソフトウエアエンジニアリング、日立システムアンドサービス、電力・産業システム部門の日立プラントテクノロジー、そしてデジタルメディア領域での電池開発を手がける日立マクセル <6810> の5社が、TOBにより完全子会社化されたのも今日の成長に大きく寄与していると言える。こうした事業再編と適正配置により、日立が長年グループ内で事業重複を起こし非効率だった部分の改革を実現するに至っている。


世界的な重電業界再編でさらなるフラッグシップカンパニーへと躍進も

パナソニック、シャープといった弱電メーカー各社は、以前の勢いもなく、なんとかデバイス事業でその存在を維持しようとしている状況とは対象的に、日立をはじめとする重電各社は、グローバル市場における競争の中でその存在感を益々明確にしつつある。その革新的なソリューションも際立つようになってきている。

既に重電業界は電力事業を皮切りに大きな業界再編の波が起こりつつあり、国内重電企業も大規模なM&Aの中に身をおく中心的な存在になろうとしている。消費者向けの電化製品はコモディティ化し、ライフサイクルも短くなって、弱電のアッセンブリーメーカーに妙味が無くなりつつある中、骨太の戦略で世界的な競争環境を乗り越えようとする日立のビジネスは、今後の日本の電気産業を牽引していく存在として、ますます注目が集まるだろう。

(ZUU online)

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