Anzac Day Races At Avoca
(写真=Thinkstock/Getty Images)

3月10日、競馬の外れ馬券を経費とすることができるかをめぐる裁判にて、検察側は外れ馬券も必要経費とする判断を下し、検察側の上告を棄却した。このような判断が下されるのは初である。

この裁判では、元会社員の男性(41歳)が競馬の払戻金を申告せずに脱税を行ったとして、所得税法違反に問われていた。この男性は2007年から2009年にかけて独自で開発した競馬予想ソフトを用いてインターネット上で馬券を約28億7000万円分購入し、約30億1000万円の払戻金を得ていたがこれを申告していなかった。

この裁判の争点は、この男性の所得税を計算する際に外れ馬券の購入費を経費として認めるか否かというものであった。このことが認められた場合、男性の所得税額は5,200万円となるのに対し、認められなかった場合はその額が5億7000万円となる。


一時所得か?雑所得か?

検察側は男性が得た払戻金が「労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得」である一時所得に当たると主張したが、弁護側はこの払戻金がそのような所得には該当せず、男性の行動は経済活動である、として雑所得に当たると主張した。これが検察側・弁護側の主張の主な相違点である。

一時所得において、経費として総収入金額から控除することができるのは収入を得るために直接要した金額である。それに対し、雑所得で経費とすることができるのはその所得を得るのに必要であった金額すべてである。つまり今回の場合では、男性の払戻金が雑所得と認められた場合、外れ馬券の購入費を経費とすることができるようになるということであった。


裁判所の判断

裁判所は「一連の馬券の購入が一体の経済活動の実態を有する」と認め「払戻金は雑所得に当たるとした原判断は正当である」として、検察側の上告を棄却した。男性が3年余りにわたって大量かつ網羅的に1日数百万から数千万円分、年間では約10億円分の馬券を購入していたことを受けての判断である。これにより、男性の脱税額を約5,200万円とし、懲役2月、執行猶予2年(求刑懲役1年)を課した第一・二審の判断が確定することになる。


今回の判断はあくまで「特例」

今回は男性の払戻金が雑所得と認められたため、外れ馬券の購入費を経費とすることができた。しかし、娯楽として小規模に、断続的に競馬を楽しむ人の払戻金はこれまで通り一時所得とされるであろう。このケースが前例となって外れ馬券の購入費が経費として認められることは今後そこまで多くないのではないかと考えられる。

(ZUU online 編集部)

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