日本の富裕層

夏は高温と湿気、冬は乾燥と積雪、台風の襲来に梅雨と気候の変化が次々と起こるのが、日本列島です。世界的にみれば、これだけの温度変化や湿度の変化に耐えうる「建造物」が1千年規模で保っていることは、大変な驚異であるといえるでしょう。

本日はそんな日本の良さをしる富裕層の大切さについてお伝えしたいと思います。

【参考】

富裕層にとっての不動産〜人口減少・高齢化社会で有望な不動産投資とは?〜
国際感覚は日本で磨け!?〜真のグローバル人材を育てるための富裕層子女が集まる教育現場〜
債券、配当狙いの株式投資、マンション経営〜富裕層の資産運用の本質とは何か?〜
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意外と地味?超富裕層の姿とは[前編]
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◉日本とヨーロッパ、文化の違いと建築の違い


欧州人が「日本の家屋は木と紙で出来ている」と表現しますが、これはあながちウソではありません。ということは、欧州ではどんな素材で家を建てているのかといえば「石」です。

石は城壁に使い、教会の尖塔に使用し、そして道路や水道橋にも使われました。耐火に優れ、補修がしやすいのも石造りの特徴です。そして、なにより地震の発生が少ないことが、石を積み上げる構造の建築を何世紀にもわたって続けてこられた理由でしょう。
イギリスでは、多くの古城がホテルや観光施設として一般に公開リニューアルしている事例が増えています。永代貴族ではあっても、収入が少なくては、補修はおろか城の維持そのものが不可能になってしまいます。
観光という選択は、非常に楽しい文化保存になりますから、好ましい形だといえます。たくさんの人たちが歴史のある場所で、数百年前の建物に触れるのは大変意義のあることだからです。


◉歴史の積み上げとしての富裕層の文化


文化は歴史の積み上げ、であるといえます。日本にも多くの城、庭園、寺、城下町が残っています。そして、その多くは地名として残り、酒屋、醤油屋などの老舗が長く商売を続けています。
こうした文化は「旧態依然」の状態で保存されているだけではありません。現在進行形として商品化され、新たな需要を掘り起こしています。そして大事なのは、単なるお土産ものではなく、非常に美しいデザインで技術的にも素晴らしい産物が、日々作られていることなのです。

文化を通して自分を知ることが、富裕層にどう関係あるのでしょうか。それは、お金の使い方を知る術そのものも文化だ、と考えられるからです。江戸時代の富裕層である商人は「蔵にお金を溜め込んで」羽振りのいい生活をしていました。江戸市中では、そういう人たちをよく思わない風潮は根強かったせいで、盗人に土蔵を破られ「溜飲を下げた」市民が多くいたそうです。

ですが、現在各地で行われるお祭りは、富豪が競い合ってお金を出し合い、神輿やお神楽、能舞台などが作られました。徳のある大名家にお金を貸すことが、商人の誇りだという記述が「米沢藩上杉家」の歴史書にも出てきます。