投資リターン
(写真=Thinkstock/Getty Images)

日本の個人投資家のリスク選好度合いは高まっているが、投資関連の知識水準については不安を抱いており、資金目標を達成できるかどうか懸念していることが、世界有数の資産運用会社であるナティクシス・グローバル・アセット・マネジメントが実施した今回の調査で明らかになった。

世界17カ国、7,000名の個人投資家を対象に実施された2015年調査によると、2015年にポートフォリオが良好な運用成績をあげると予想している投資家の割合は、世界全体の73%に対して日本では57%にとどまった。日本の投資家は世界の投資家に比べて自信がなく、知識が不十分と感じていることがうかがえる。その一方で、日本の投資家の3分の2が前年に比べてリスク許容度を高めることに前向きであると答えている。世界平均は49%だった。

日本の投資家が経済的なニーズを満たすために必要と考えるインフレ調整後の年平均リターンは12.0%で、調査対象の17カ国の中で2番目に高く(最も高いのはコロンビアの12.2%)、世界平均の9.7%を大きく上回った。しかし、この水準のリターンが現実的と考えている投資家の割合は世界平均の72%に対して日本ではわずか55%。また、昨年の運用リターンに満足していると答えた日本の投資家の割合は3分の1(35%)にとどまった(世界全体では57%)。

ナティクシス・グローバル・アセット・マネジメントの加藤欣司・北アジア代表は「アベノミクスが貢献して日本の株式市場は高値を更新しているが、全般的に見て日本の投資家は他の国ほど楽観的な見方をとっていない。日本の財政状態の悪化と団塊の世代が急速に高齢化して退職年齢に差し掛かっていることが大きく影響しており、日本の投資家は今は問題ないが、今後、状況は厳しくなると考えているためだ。大半の退職者は年金だけでは現在の生活水準を維持できないと考え、高齢の投資家は生活の質を維持するために高いリターンを求めている」とコメントする。


より大きな保障を追求:確実なリターンと慎重なフォーカス

投資家は葛藤を抱えている。日本の投資家の大半は市場ショックを警戒しており、自身のポートフォリオがその影響を受けないようにすることはできないと感じている。市場ショックが生じたときに感情的な投資判断を行うのを避けることが難しいと答えた投資家の割合は日本では7割に達し、世界平均の6割を上回った。

とはいえ、多くの投資家が安心感と適切な助言を求めるようになっている。世界全体で見ると、感情的な投資判断を行うことをやめれば運用目標を達成できる可能性が高まると考える投資家の割合は前年に比べて2倍に増えており、日本では、この割合は59%増加した。

実際のところ、投資家の要求はますます厳しくなっており、目標達成に必要な高いリターンを確保するための商品やソリューションを求めると同時に、市場の変動性が高まった場合のしかるべきプロテクションを必要としている。世界全体では約4分の3、日本では80%の投資家が、市場の急変動による影響を受けにくく、ポートフォリオ・リスクを分散化でき、信頼性の高い新たな収益源を生むようなポートフォリオ戦略を求めている。

ナティクシス・グローバル・アセット・マネジメントのジョン・ヘイラー米州・アジア地域CEOは「きちんとした計画を立てておけば、将来に備え、困難な相場環境を乗り越えることができるため、はるかに良い運用成績を上げることができる。予測外の出来事に対して備えるための最善の手段は、専門的なファイナンシャルアドバイザーのサポートを受けてデュラブル(耐侯性のある)なポートフォリオを構築すること。デュラブルなポートフォリオを構築すれば、リスクを管理し、変動性を抑制することができ、その結果、投資家は長期的な目標達成のために投資を継続することが可能になる」と述べる。


オルタナティブ投資が増加しているが一段の知識の習得が必要

ファイナンシャルアドバイザーおよび金融商品の提供者にとっての課題は、こうした新たな投資家が求めるソリューションを提供することだ。世界の投資家は引き続き株式に対して強気の姿勢をとっていますが、大半の投資家は、伝統的な投資戦略のみに頼ることが運用目標を達成するための最善の手段であるかどうか、疑問を抱いている。専門家によるアドバイスを受けている投資家は、そうでない投資家に比べて明確な資金目標と資金計画を立てている可能性が高いと考えられる。

専門的なファイナンシャルアドバイザーにリスクについて相談したいと答えた投資家の割合は2013年に比べて11%増加し、全体の67%。流動性の高い投資対象と流動性の低い投資対象の種類、それぞれのリスク、デュラブルなポートフォリオ構築における役割など、オルタナティブ投資に関する知識が投資家の間で広く普及しているわけではないが、必ずしも市場全体との相関性が強くない資産をポートフォリオに加えることによるメリットを活かそうとする投資家が増えている。世界全体で見ると、オルタナティブ投資を行っていると回答した投資家の割合は過去3年間で21ポイント増加して50%に達しました。

一方、日本では多くの投資家がこうした動きから取り残されていると感じており、最善の投資を行うのに必要な手段と知識を欠いていると考えている。日本の投資家の4割が個々の目標に沿ってどのように投資したらよいのかわからないと回答しており、自身のポートフォリオが自身の目標とベンチマークに沿ったものであると確信している投資家の割合は47%にすぎない。また、日本の投資家の44%が投資目標達成のために必要な年間投資リターンがどの程度の水準かを把握してなかった。(ZUU online 編集部)

(調査方法) 本調査は日本に住む350名の個人投資家を含む、アジア、欧州、米州および中東の17カ国7,000名の投資家を対象にイギリスを拠点とする調査会社CoreDataが実施した。。調査は2015年1~2月にオンラインで実施され、投資純資産額20万米ドル(もしくは同等の購買力平価)以上の投資家が調査対象。グローバル調査結果の全文及び詳細はwww.durableportfolios.comで掲載している。

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