②米連邦公開市場委員会の注目点
まずは抑えておきたい用語からです。
米国で日本銀行に相当するのが連邦準備制度(FederalReserve System、略称:FED)です。複数の組織体で構成されているので制度と呼ばれています。連邦準備銀行ではないことに注意してください。
連邦準備制度理事会(Board of Governors of the Federal Reserve System)は金融政策決定の中心の場となります。構成メンバー(理事)は議長を含めて7名です。メンバーは大統領が任命し、上院の承認を得て就任し、その任期は14年で、議長と副議長の任期は4年となります。理事の任期は政治関与を最小にするために2年おきに1名が交代するようになっています。
FEDの金融政策の目的は連邦準備法によると、第一に最大の雇用、第二に物価の安定、第三に穏やかな長期金利が規定されています。理事会の任務は3つあり、第一に公開市場操作の基本方針の決定、第二に公定歩合の決定、第三に預金準備率の設定にあります。
全米12の地区ごとにおかれた連邦準備銀行(FederalReserve Bank、略称:FRB)は形式的には独立した株式会社ですが、理事会の監督下におかれます。公定歩合の変更は地区連銀が個別に理事会に申請する形となっています。
米連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee、略称:FOMC)は日銀の政策委員会にあたる最高意思決定機関であり、年8回開催されます。
公開市場操作の基本方針が決定される場となっています。メンバーは理事会から7名と地区連銀総裁から5名。残りの7名の総裁も議決権のないオブザーバーとしてFOMCには出席します。
このFOMCの注目点は即日公表される声明文と約6週後に公開される議事録にあります。
注目点は経済情勢、公開市場操作の方針、これまでの金融政策の振り返り、経済予測(失業率、インフレ率など)、メンバーの議論、公定歩合の変更情報があげられます。