③日銀金融政策決定会合の注目点


日銀政策委員会は総裁を含め9名から構成される日銀の最高意思決定機関です。
メンバーは衆参両院の同意の上、内閣が任命をおこないます。また任期は5年となっています。政策委員会は金融政策を審議する金融政策決定会合とそれ以外の事項を審議する通常会合の2種類を開催します。

日銀は金融政策決定会合の決定に従い公開市場操作などの金融調節、基準貸付金利操作、預金準備率操作の3つの手段を用い、業務を遂行します。注目ポイントは金融政策決定会合後すぐ公表される金融市場調節方針に関する公表分で、経済と物価の評価をみてとることができます。また1ヶ月後に公表される金融政策決定会合議事要旨で、委員会での議論の内容まで読み取れるので一度目を通してみることをお勧めします。また金融政策決定会合の翌営業日に出される金融経済月報も景気判断を行なう上で重要な手がかりとなります。


金融政策が2014年の為替に与える影響


米国ではQE3の緩和縮小(資産購入額を従来の850億ドルから750億ドルに減額)が来年1月から行なわれる事となりました。また政策金利については、インフレ率が2%を下回る場合、失業率が目標値の6.5%を下回った後も現行水準で据え置くことが適切という見解がだされました。これにより長期金利は緩やかに上昇することが見込まれています。

一方、日本では異次元緩和が続くなか、マネータリーサプライは日銀が12/27/2013に公表した数値によると12/26/2013付けで200兆円を超えることとなりました。日銀は2014年末には270兆円にまで積み上げる目標をもっています。

これらのことから、日米両国の金融政策面で為替相場を探ると、2014年は日米の金利差が緩やかに広がる点、また円が低金利通貨として今後も投資の基となる通貨として利用される事において中長期的には円安が継続することが見込まれています。ただ上半期に関してはIMMポジションに見る巻き戻しや過去2年間の円安相場の調整も見込まれています。

金融政策は中長期的にマーケットに作用する要因であり、この投稿を読み金融政策を理解された皆様には、冒頭に記したマーケットが短期に注目する材料にも是非注目してみてください。

【参考】
2014年、日本経済大予測!vol1~各経済誌の注目業界と予想のまとめ~
2014年、日本経済大予測!vol2~身近な注目業界と見通しのまとめ~
2014年、日本経済大予測!vol3〜展望を占う5つの重要キーワード〜
2014年、日本経済大予測!vol.4~各経済誌の株式・為替相場見通しのまとめ~
2014年世界経済大予測!vol.1~欧米中・新興国の株式・為替相場予想のまとめ~

By Ken:FXコンサルタント

photo credit: DonkeyHotey via photopin cc