FOMC、日銀金融政策決定会合にみる2014年の外国為替相場


中央銀行と為替相場


為替相場はマーケットが注目する材料が頻繁に変わる為、常にどのような要因をはらんでいるのか、材料を書き出しておくことが重要です。

金利、経済成長の他、CMEにおけるIMM通貨先物の建玉、ヘッジファンドの動向、原油価格、為替政策と介入の余地、産業界の動向、政府高官の発言、金融政策、財政政策、インフレ率、対外収支、政治リスク等がどのように通貨毎にシフトしているのか包括的に理解しておくと債券や株式市場、商品市場まで理解できるようになってきます。経済、金融系の新聞の記事と記事の関連性も見えてくるので、一度是非自分の手でまとめられると面白いと思います。

リスクのオン、オフを基にお金は必ずどこかの市場に流れています。
今回はそれらの複合的要因の1つである金融政策にスポットライトをあてると同時にそこから見える2014年の為替相場の変動要因を探っていきたいと思います。

【参考】
2014年、日本経済大予測!vol1~各経済誌の注目業界と予想のまとめ~
2014年、日本経済大予測!vol2~身近な注目業界と見通しのまとめ~
2014年、日本経済大予測!vol3〜展望を占う5つの重要キーワード〜
2014年、日本経済大予測!vol.4~各経済誌の株式・為替相場見通しのまとめ~
2014年世界経済大予測!vol.1~欧米中・新興国の株式・為替相場予想のまとめ~


①中央銀行の役割


中央銀行は一般的に3つの機能を有していると言われています。

第一に発券銀行として、銀行券の価値が損なわれないように管理しながら銀行券を独占的に発行しています。
中央銀行は、紙幣の発行量を調整する事で、貨幣の供給量(マネーサプライ)を管理します。金利は貨幣の需供によって決定されるので、貨幣供給量を減らせば金利は上昇しますし、増やせば下落します。金利が下落すれば、企業や個人はお金を借りやすくなり、需要が上昇、企業の設備投資や消費が増加し景気は回復する一因になります。

第二に銀行の銀行として民間金融機関からの預金を受け入れたり、貸し出しを行なっています。
貨幣は良く社会の血液に例えられます。身体が健康であっても血液が循環していなければ人は生きていけないように、企業や銀行も業績が黒字でも一時的にでも血液(貨幣)が不足しては倒産してしまいます。健全な金融システムの維持には資金不足の銀行に貨幣を供給するなど、円滑に資金を融通するシステムが必要です。そのために銀行の銀行として、市中銀行との取引や決済をおこないます。

第三に政府の銀行として政府の資金を管理したり、国債の償還や利払いなどをおこなっています。また国が資金不足のときには資金提供も行なっています。

中央銀行の目的は上記三つの役割を通じ物価の安定や景気の調整を図り、経済の健全な発展に資することにあります。
この目的のために金融政策を行なうわけです。

中央銀行の基本的な役割が理解できたところでアメリカの金融政策決定の場である米連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee、略称:FOMC)と日本の金融政策決定の場である金融政策決定会合の注目点を見ていきましょう。