マーケティング・オートメーションは米国だけではない

そのセールスフォースを買収する魅力は、どこが買収を仕掛けているかにもよるだろう。セールスフォースと同じような業種であれば、セールスフォースが保有する技術や顧客基盤を獲得するというメリットがある。ただ、単に資金が余っているため、ポートフォリオの一環として購入を検討している投資ファンド等が買収相手ではその魅力は薄いのかもしれない。


日系SFAにおいても買収の可能性はあるか

マーケティング・オートメーションやSFA企業は、何も米国だけに存在しているわけではない。日本でも急増している。我が国にも「eセールスマネージャー」を提供するソフトブレーン <4779> や「Knowledge Suite」を提供するナレッジスイート等、多くの会社が存在している。国産の強みは、日本におけるビジネス慣習に適したカスタマイズがなされていることだ。

グループウェア大手のサイボウズ <4776> も一度SFAへ進出したが、その後撤退している。マーケティング・オートメーションは、複数の業務に複雑に絡み合う上に一度顧客に採用されると新規でなかなか入り込むのが難しい。国内におけるシェアはセールスフォースが6割を占め、残り4割の中で競い合っているのが現状だ。国産のSFAは苦戦をしているともいえるが、システムだけでなく営業支援を含めたコンサルティングサービスまでを一貫して受注していたり、他のシステムと組み合わせた開発までを行ったりと、きめ細やかな対応により顧客獲得を行っている会社が多い。

日本企業が、さらに日本でのビジネスの慣習に基づいたシステムを作り上げ、提供をするという方法もあるだろう。むしろ海外企業から見れば、すでに日本企業を顧客に抱えているという強みがあるため、買収される可能性もある。

マーケティング・オートメーション市場は活況を呈しており、これからも目が離せなさそうだ。(ZUU online 編集部)

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