コンセプトに同調する拡販戦略

こ うした「LCC路線」は、新ターミナルのオープンに関わった企業各社の戦略にも如実に反映されている。無印良品を展開する良品計画 <7453> は、1991年に誕生したロングセラーヒット商品「脚付マットレス」を進化させた新商品ソファベンチを、約400台導入した。「待ち時間の長い空港で旅する人たちに快適さをお届けしたい」というのが狙いだという。

同商品は一般向けに仕様を一部変更し、第3ターミナルの開港と同日の4月8日から、全国の無印良品で発売されている。

また資生堂 <4911> は、免税エリア「Fa-So-La DUTYFREE」に子会社「ザ・ギンザ」を通じて免税店をオープンした。

空港等で免税事業を行うトラベルリテール(TR)は、世界的な旅行需要の高まりを受け伸長傾向にある。資生堂の国内TR事業を運営し、全国の空港23施設に43店舗で展開する「ザ・ギンザ」は、既に成田空港第1・2旅客ターミナルビルに計8店舗の免税店を構えている。

今回オープンする第3旅客ターミナルビルの店舗は、出国審査通過後の正面という好ロケーション。取り扱う商品もLCC利用者のニーズに合わせてグローバル展開のブランドを揃えるとともに、店には資生堂専属の担当者として、美容の専門知識を得た「Fa-So-Ra DUTYFREE」の従業員が接客にあたる。


関連銘柄の動向にも注目

「第3旅客ターミナルビル」の開業は、関連株の動向にも大きな影響を与える。中でも注目すべきは京成電鉄 <9009> だろう。

成田空港からのLCCは、当初は国際線がジェットスター、チェジュ航空、バニラ・エア、国内線がジェットスター、Spring Japan、バニラ・エアと絞られているが、今後海外の航空会社が増えていくだろう。JR東日本 <9020> とともに成田空港へのアクセスの主力を担う京成にとって、開業が追い風となることに間違いはない。

京成電鉄は「第3旅客ターミナルビル」の開業に向けて、昨年11月にダイヤ改正を実施した。都心方向へ向かう朝7時台のスカイライナーと、早朝ならびに深夜に成田空港に到着する便の運行をスタートさせ、空港アクセスを強化した。

さらに、LCC機内での企画乗車券の販売を拡大するなどの施策も、今後効果を発揮してくることが予想される。まさに京成は、新ターミナル関連銘柄の本命と言えそうだ。(ZUU online 編集部)

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