(写真=PIXTA)
6月5日、中東などの産油国12カ国でつくる石油輸出国機構(OPEC)は、ウィーンで総会を開き、12カ国合計の生産目標をいまの日量3千万バレルに据え置くことを決めた。
原油の市場価格が緩やかながら回復基調にあるため、価格下支えを目した減産は必要ないとの意見が大勢を占めたからのようだ。
アメリカのシェールガス採掘ラッシュなどによる供給環境の急変により、昨年後半からたった半年ほどの間で半値近くまで急落したのは記憶に新しいところだ。原油価格に反転の兆しが見られるなか、債券投資家が大きな戦略変更を迫られている。
原油価格反転による物価上昇
今後の原油価格は、昨年前半までの1バレル100ドルを超すような極端な価格までには至らないが、上昇トレンドを描くだろうとの見方が多くなってきた。日本国内では円安と原油高のダブルパンチで、ガソリンを始めとする輸入品の価格はさらに高騰すると予想されている。
原油価格の動向はほぼ全ての産業、そして我々の生活に直接影響を与える。原油価格の上昇は物価上昇、インフレに結びつく。今年に入ってからは、日銀による異次元緩和をきっかけとした今回の円安局面によるコスト増を反映して、食品などの生活必需品の小売価格も値上げしつつあるとの指摘がある。
債券利回りが上昇
こうしたなか、原油価格の反転とともに、債券の利回りが上昇に転じている。原油価格は投機によって価格が上下することもあるが、基本的には需給要因によって左右される。供給過多になれば価格は下落し、需要が逼迫すれば価格の上昇につながる。原油価格上昇が景気回復の流れとシンクロするとき、債券の利回りも上昇することになる。
2015年1月20日、日本国債の長期金利は史上最低の0.195%を記録。ドイツ国債などの超低金利により、より安全資産とされる日本国債が相対的に買われ続けた結果、記録更新に一役買ったようだ。ところがその後、長期金利は一気に反転し、0.4%台まで急上昇。その後は、0.4%台から0.5%台でもみ合う展開が続いている。
債券投資戦略は苦戦
2003年のVaRショック(債券暴落)と類似する金利上昇となったため、あの時の混乱を思い出した機関投資家も多かったのではないだろうか。
当時は、長期金利がそれまでの史上最低である0.4%をつけた後、いったん0.9%台まで急上昇。その後1か月の間にさらに1.4%台にまで跳ね上がった。国債に投資していた国内の機関投資家の大半は、それまで多額の含み益を積み上げてきていたはずが一転、多額の含み損を抱えることとなったのである。その後、この含み損を解消するまで多くの時間を費やすことになった。2003年ほどではないが、金利急上昇で同じ轍を踏むわけにはいかないと多くの機関投資家が考えている。
金利上昇局面では一般的に、債券投資は苦戦する。一方、インフレに強いとされる株式は値上がりすることとなり、債券に振り向けてきた資金がますます株式へと向けられることとなる。それでも株式のリスクを許容できない場合には、インフレ局面でも一定の収益を確保できるとされる物価連動国債などへの投資という選択肢も考えられる。
ところがこちらは、通常の国債に比してかなり流動性に劣るというデメリットがあり、売りたいときに売れない。こうしたリスクとも向き合わなければならないのが痛いところである。
機関投資家は、今回の金利上昇局面を見越してポートフォリオに占める債券の割合をあらかじめ少しずつ落としてきたところも多いようである。
とはいえ、債券投資に向き合う限り、苦戦を強いられることに変わりはなく、売り時を巡る保有債券価格とマーケット価格のにらみ合い、さらには、買い時を巡る神経質なタイミングの駆け引きが当面続くことが予想される。(ZUU online 編集部)
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