ロボットが工場など生産作業に携わるようになって久しい。それだけではなく、最近では、家庭にもロボットの舞台が広がりつつある。ソフトバンク <9984> は2015年6月下旬、人型ロボット「Pepper(ペッパー)」を発売し、ウェブ販売では受注開始から1分ほどで、売り出した1000台の完売となるなど人気も集まっている。一般向けの製品としては決して安価ではないことも考慮すれば、その人気の高さも窺える。

ペッパーについては、ソフトバンクのモバイル事業店頭やカフェなどで働いており、人とコミュニケーションをとる姿を見ることも増えた。6月から販売開始となったことを受けて、ソフトバンクでは月産で1000台をもくろんでいる。少子高齢化がさらに進む中、サービス産業での人員不足や独居老人の自立を支えるルームメイトとしてロボットが日本社会に浸透していく可能性もありそうだ。そこで今回は、ロボットの今後の可能性を洞察する。

「1家に1台のロボット」が当たり前に

ソフトバンクから発売されたペッパーは人間の感情を理解し、人とコミュニケーションできる一般家庭用ロボットだ。持ち主と効果的に意志疎通するために会話の記録をペッパーは生かすが、そのデータは、クラウド上に集めて分析される。その結果からペッパーが、どのように意志疎通すればよいか学び、どんどん洗練されたコミュニケーションをとるようになるという。

このペッパーは19万8000円でソフトバンクから発売されたが、同社に続いて DMM.com が家庭用ロボットの販売を開始。富士ソフト <9749> やユカイ工学など5社の家庭用ロボットを取扱い始めている。

富士ソフトやユカイ工学のロボットは、ソフトバンク製のペッパーと比較すると小型で、テーブルの上に乗る大きさ。価格も2万9800円から29万8000円とバラエティに富む。いずれも対話などのコミュニケーションや、ダンスなど特定の動きをさせることがメインであり、現状では、最先端技術を味わう高価なおもちゃといえる。