画像認識を商用化したABEJA
一つ目の例はABEJAで、2012年に設立されたベンチャー企業だ。同社のサービスでは、小売業や外食などの店舗内の様子を撮影した画像や動画から、来店客の属性やその動きを計測。計測結果を分析して得られる知見を提供することで、商品陳列の改善支援を提供している。これが「人流計測」と呼ばれるシステムで、同社が広く知られるきっかけとなったものだ。
同社のサービスでは、店舗内にカメラを設け、店内の様子を撮影。得られた画像を、CNN(Convolutional Neural Network、畳み込みニューラルネットワーク)と呼ばれる画像認識向きのニューラルネットによってリアルタイムに人の流れを認識できるという。
画像の解析などにあたり、あらかじめ特定の陳列棚を指定しておけば、その棚を来店客の何人が触ったかといったことも把握できるという。ほかにも、店舗内の場所ごとの通過人数や個々の来店客の推定年齢・性別などを把握できる。
加えて、場所ごとの通過人数を数値表示するだけでなく、2次元的な「ヒートマップ」によって分布を可視化し、カメラ映像に重ねて表示することもできる。通過人数が多いほど「温度」が高くなる仕組みだ。