沖縄小売業の覇者 サンエー <2659>
沖縄で小売業を展開している企業の代表がサンエー <2659> です。サンエーは沖縄県で地域密着型ビジネスを手がける総合小売業で、食料品、日用雑貨、衣料品、大型家電、レストラン、ホテル、コンビニエンスストアなど幅広く事業を展開しています。
サンエーは、その名の通り「サンエー」というスーパーマーケットを沖縄県内に数多く展開しているだけでなく、ローソン、良品計画、マツモトキヨシ、大阪王将、タリーズコーヒー、東急ハンズなどを沖縄県内でFC展開しています。サンエーは沖縄小売業の覇者とも呼べるような存在というわけです。サンエーの沖縄での存在感を示しているのが、以下の表です。
表の通り、サンエーの売上1500億円を超え沖縄県の企業の中で第3位、上場企業に限れば沖縄電力に次いで第2位、小売業ではイオン琉球に大きく差をつけて首位となっています。上述したように沖縄県は観光客増と人口増で消費が増えやすい構図にあるとみられ、そして消費が増えた際に恩恵を受けやすいのがサンエーとういわけです。
長期にわたって好調なサンエーの業績
サンエーの過去20年間の売上と営業利益の推移をグラフにしてみました(グラフ5)。1996年2月期から2015年2月期までの20期で、売上高はすべての期で前期比増収を達成、営業利益を20期中18期で増益達成と、業績の安定度はかなり高いと言えます。
また、直近発表された平成28年第1四半期(3-5月期)の決算も売上高が422.9億円で前年同期比5%増、営業利益が35.8億円で同13.2%増と好調でした。会社予想では今期の売上高が1675億円(前期比1.8%増)、営業利益が129億円(前期比0.7%増)となっていますが、かなり保守的な予想に見受けられます。
過去5期分のサンエーの売上高の3ヶ月ごとの偏りの平均を見ると、第1四半期から順に、24.2%・26.3%・23.7%・25.8%となります。今期の売上高が過去の平均と同様に偏ると仮定して計算すると、第2四半期は459.5億円、第3四半期は414.1億円、第4四半期は450.8億円となり、今期の売上高は1747.5億円(前期比6.1%増)、会社予想から上振れを期待することができます。
そして、過去4四半期の営業利益率の平均7.95%から計算すると、今期の営業利益は138.9億円(前期比7.4%増)とこちらも会社予想からの上振れを期待することができます。沖縄県がおかれた好マクロ経済環境を背景に、サンエーの堅調な業績は継続するのではないかと見ています。
企業情報
サンエー(2659)
株価(売買単位):6,220円(100株)
時価総額:約1989億円
予想PER:24.9倍
PBR:2.3倍
ROE:9.4%
今期予想1株配当(会社予想):36円
予想配当利回り(会社予想から計算):0.58%
自己資本比率:69.0%
(出所)2015年8月6日時点のQUICKデータよりマネックス証券作成
益嶋 裕
マネックス証券
フィナンシャル・インテリジェンス部 マネージャー
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