ベンチャーも多数参入の歩行アシスト装置

歩行アシスト装置は大きく分けて2つのタイプがあり、1つは乗り物型、もう1つは腰や膝に装着するスーツ型だ。

前者の代表例は、「ロボットアシストウォーカーRT.1」(RT.ワークス社)や「WHILL」(WHILL社)などだろう。これらはいずれも日本発ベンチャー企業によるものだ。海外では、台湾FreeRider社が既に世界で販売する「Luggie(ラギー)」が有名だ。

後者のスーツ型では、本田技研工業 <7267>の「Honda歩行アシスト」やトヨタ自動車 <6875> の「自立歩行アシスト」、サイバーダイン <7779> の「ロボットスーツHAL」などが広く知られている。また一風変わったところでは今仙技術研究所 <7266> と名古屋工業大学が共同開発した、モーターやバッテリーを用いず重力とバネの力だけを使う「ACSIVE」などがある。

この中で最近発売されたのが「Honda歩行アシスト」だ。ホンダのロボットといえば2足歩行型ロボット「ASIMO(アシモ)」が有名。同社は1980年代から下半身だけのEモデル、人間の形をした試作機Pモデルなどで技術蓄積を重ね、2000年にASIMOを発表して全世界を驚かせた。その後、顔認識や障害物回避、ASIMO同士の共同作業など機能を充実させ、2011年にはビンのふたのひねり開けまでできる最新機種を世に送り出している。

この長年蓄積された技術の粋を集めて開発されたのがHondaアシストだ。1999年に研究を開始、2013年からは全国約50の病院や施設に100台を貸し出して情報を収集してきた。手のひらに立てた棒を倒れないよう制御する技術「倒立振子(しんし)モデル」を使い、歩行時の股関節の動きをセンサーで感知して効率的な歩行をサポートする。着脱もしやすく、重さはバッテリーを含めても約2.7kgと比較的軽い。今年11月には法人をターゲットに発売するが、リース料金は3年契約で付随費用を含め月額4万5,000円。

世界的にみても、高齢化対策、バリアフリー化は大きな課題だ。アイデアがあればベンチャーでも参入できるジャンルとあって、これからもイノベーションも期待できそうだし、大手も一層、力を入れるはずだ。歩行アシストをはじめとする身体・運動補助装置の市場はこれからますます大きくなるだろう。(ZUU online 編集部)

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