日産自動車(日産) <7201> は9月2日、電気自動車のさらなる普及を目指して、バン型電気自動車「e−NV200」を都道府県に3年間、無償で貸し出すプロジェクトを開始することを明らかにした。全国的にEVを展開させることで、浸透を後押しする格好だ。

次世代自動車の地位をめぐっては、日産が今回、展開を後押しするEVと、トヨタ自動車(トヨタ) <7203> が中心となって進める燃料電池車(FCV)が争っている。二酸化炭素の排出量を削減するためなど、走行時に、化石燃料を燃焼させる必要のないEVと、水素と酸素の化学反応を用いて発電される電気で走行するFCVといったクリーンなソリューションを求める動きが活発化してきている。

トヨタも昨年末にFCV・ミライを発売するなど具体的な取り組みを進めており、EVとどちらが普及するかに注目が集まっている。

その中で、日産は今回、全国47都道府県の自治体に対して、「e−NV200」を3年間無償貸与する事業「電気自動車活用事例創発事業」を開始。地方自治体は街づくりの一環として、日産のEVを活用できる。具体的には、「静粛性や給電機能を活かした各種作業車両としての活用」、「災害時の蓄電池としての活用」、「中山間地域でのガソリンスタンド減少対策」などを提案した地方自治体に対して、日産が「e−NV200」を貸与する。

次世代自動車の普及については、EVの充電や、燃料電池のエネルギー源となる水素を供給するインフラの整備が重要になるが、日産は独自に充電設備の整備も推進。2015年5月時点で、日産の充電ネットワークは全国1万4011基まで拡大。普通充電機8341件、急速充電機5673基の、EV向けの充電設備網となっている。

他方で、FCVの燃料供給設備である水素ステーションの整備も、FCVの普及を後押しする企業が中心となって進めている。JXホールディングス <5020> は2014年の12月に1号店を開所して以来、水素供給インフラの整備を順次、進めている。同社のウェブサイトによれば、すでに12カ所の水素ステーションが整備されているとのこと。

さらに、岩谷産業 <8088> も水素販売業者の1社として、移動式水素ステーションの製造、提供を推進しており、EVとFCVのエネルギー供給インフラ整備競争の動向からは、目を離せそうにない。(ZUU online 編集部)

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