31日の東京株式市場は、中国の景気減速リスクに加え、7月の鉱工業生産指数が市場予想を下回っていたことで、寄り付きから売りに傾く展開となった。日経平均株価は、一時、400円近く下げる場面もあったものの、中国株が下げ渋ったことで、前週末比245円84銭安の1万8890円48銭で大引けとなった。

1日の東京株式市場は、前日の欧米株安に加え、中国PMIが市場予想の範囲内であったものの悪化したことから、日本株も売りが入りやすい流れとなった。

さらに、米国株先物が大幅安となっていたことで、先物を中心に売りが入り、日経平均株価は、前日比724円79銭安の1万8165円69銭で取引を終えた。

2日の東京株式市場は、一時、中国株の上昇から、大幅高となる場面もあったものの、中国景気不安が継続していることで、売りも出やすい地合いが続いていたため、日経平均株価は前日比70円29銭安の1万8095円40銭で大引けとなった。

3日の東京株式市場は、前日の米国株高に加え、ドル円相場がやや円安方向に進んだことから、朝方は日経平均株価が400円近く上昇する場面もあったが、翌日に米雇用統計を控えているということもあり、徐々に手控えムードが広がったことで、前日比86円99銭高の1万8182円39銭で取引を終えた。

4日の東京株式市場は、米雇用統計を控えていることで、買いが入りづらい地合いだった。また、ドル円相場が円高進行したことで、日経平均株価は、前日比390円23銭安の1万7792円16銭で週の取引を終えた。なお、約7ヵ月ぶりの安値水準となっている。


今週の株式市場展望

今週注目の経済指標は、8日発表の4-6月期GDP改定値、8月景気ウォッチャー調査、中国8月貿易収支、10日の7月機械受注、8月国内企業物価指数、中国8月消費者物価、中国8月生産者物価、11日の7-9月期法人企業景気予測調査などである。

9月4日に発表された、8月米雇用統計は非農業門雇用者数が前月比17万3000人増と市場予想を下回った。また、失業率は5.1%と市場予想よりも好結果で、強弱入り混じった内容となった。

この結果が米国利上げを否定するものとは考えにくいものの、9月利上げの可能性が低下していることから、今週のドル円相場は上値が重い展開が想定されるだろう。そして、円高傾向は、日本株へも影響を与えると考えられる。

ただ、テクニカル面では、週足ベースのボリンジャーバンドは、日経平均株価のローソク足が3σ付近で、週足14週のRSIにおいても、34%程度と割安感がある。よって、押し目買いが入りやすい地合いと言える。

それを裏付けるように、投資部門別株式売買状況を見ると売り越しが続いていた個人の現物が買い越しになっており、中国ショック以降の日本株の下落局面では買っていたことがわかる。

ただ、気になる点としては、外国人が大幅に売り越していることだ。アジアの中では流動性の高い日本株を中国株の代替として売っていると考えられており、この傾向は今後も続くだろう。

以上から、押し目買いは入りやすいものの、外国勢の売りから弱気で考えるのが妥当である。また、中国経済指標が多く予定されていることから、指標悪化による中国株の下落と、その流れに引きずられる形での日本株の下落にも注意したい。(ZUU online 編集部)

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