ロボットに期待される「専業主婦」も満足させられる役割とは?

中野信子: 機械の登場によって概念が変わったのが、「専業主婦」です。昔は安価で労働できる家庭に備え付けの主婦だったわけですが、だけれども今では、(仕事そのものは)機械がやってくれるようになりました。今や主婦は憧れの存在ですよね。働かなくて男が一生養ってくれる、子育てもアウトソーシングできる、じゃあ主婦は何をするの?となります。
でも、結構、不満を抱えている人も多いです。なぜか、自己実現ができないから、誰も存在価値を認めてくれないからです。これは機械にはできないかもしれない。

AI搭載の人型ロボ・ペッパー (写真=ZUU online編集部)

林要: 僕はロボットはふたつ活躍の場があるかもしれないと思っています。ひとつは自己実現のための無意識下のトレーニングです。「教育」と言われている部分です。人が人を 教育 するのはまあまあコストがかかるのですが、ロボットが24時間はたらきかけて能力をあげていく、というのは可能性があるんじゃないかと思います。それを能動的にできるのがロボットです。

あとは、存在を認めてあげるという意味だと、意外に女性から話を聞いてほしいという要望がありました。それに対して「ペッパーは何のサジェスチョンもできませんよ」という話をすると「それはいいんです」と「重要な話は友達かお母さんに話します」ということです。「もっとくだらない話をきいてほしい」だけであれば、今の人工知能をチューニングしていって会話の内容をレポートするだけであればできないことはないんです。

堀江貴文: もうひとつあるのは、ロボットじゃないかもしれないけれど、例えば、 若くてかわいい 女の子とご飯を食べてるとしますよね。つまんない奴が多いんです。「つまんねえな」と思いながら飯を食べてるんですが、そんな時ってスマートフォンでツイッターをやったりしています(笑)
要は、ツイッターの先にいる人達がいます。完全じゃないし、人じゃないんですよね。「何万人とかいると、すげえ人がなんとなくいる」という感じになるんですよね。集合知なのか大きな人格なのかもしれないし、ひとつの大きな人かもしれない、集合意識のように見えるんですよ。