東京・銀座の百貨店が相次いで改装している。目的はもちろん、インバウンド需要、特に中国からの買い物客の「爆買い」に引き続き対応することだ。

中国は8月に人民元を切り下げ、上海市場でも株価が暴落したが、訪日中国人の消費意欲は下がっていない。9月に入っても銀座をはじめ、秋葉原、心斎橋など訪日中国人の人気エリアは熱気であふれている。


三越は海外顧客サービスセンターを開設

三越銀座店は今月上旬、約140平方メートルの海外顧客サービスセンターをオープン。新たに免税手続きの待合スペースや海外配送カウンターもつくった。SIMカードなども販売しているという。さらに、以前は免税カウンターでしか提供していなかった無料Wi-Fiも全館でアクセスできるようにしている。また年内には空港型の免税売場「Japan Duty Free GINZA」を、来年2月には「海外顧客ゲストラウンジ」も開設する計画だ。

松屋銀座も15年ぶりに紳士フロアをリニューアル。外国人客に人気のあるスーツケース売り場を広げ、メード・イン・ジャパンの品ぞろえを強化したという。また今月30日には外国人旅行者専用の売り場を新設する予定だ。


新たなニーズにこたえるために

主な百貨店は以前から、訪日外国人に対応するために外国語会話ができるスタッフを売り場に立たせ、店内のガイドやサインは外国語併記にするなど対応してきた。

そんな中で今回、各百貨店がリニューアルに踏み切ったのは、中国人買い物客の新たなニーズにこたえることが目的だ。「爆買い」という言葉が定着したのももう最近のことではない。外国人買い物客のニーズは多様化している。最近ではリピーターも出てきているようで、いつまでも同じレイアウト、品揃えでは飽きられるという危機感もあるのだろう。

今回のリニューアルは、品揃えはもちろん、レイアウトや照明、内装、BGM、休憩場所やトイレに至るまで、買い物客のニーズを把握し、研究し尽くした上でのものとなるはずだ。

中国人の爆買い継続を願うのは、東京の店だけではない。銀座の各百貨店のリニューアルには、全国各地の小売業者の視線が注がれている。(ZUU online 編集部)

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