5位 5月 欧州債券暴落

3月にECBがQEを開始して以来、欧州株は大相場を継続させてきたが、ドイツのDAX指数は昨年10月16日から+48.3%の上昇を記録した後、4月末から利益確定の売りに押されるようになった。既に4月10日の高値からは大幅に下落している。この動きはフランス、イタリアも同様で株価上昇に完全にブレーキがかかることとなる。

この動きと連動して債券金利は猛烈に上昇し始め、完全に思惑の外れた投機筋や金融機関はこの債券暴落と金利上昇で大きな損害を被ることとなった。当然その後穴埋めのために株式が売られるなどの影響がでたのは言うまでもなく、債券市場の規模の大きさとその損失の出方の大きさを改めて思い知らされることとなった。


4位 ギリシャ、デフォルト危機

3月から続いたギリシャの債務問題は二転三転する形となり、結局7月まで為替に影響を与え続けた。2010年から続いている話だけに、関係者は辟易としているはずだ。後半は為替相場の材料にはならない時期も見られたが、とりあえずユーロからの離脱脱回避ということで一旦は収まりをみせている。

ただしこの国が抱える問題は何ら解決が図られておらず、今回は借金を追加で認めてもらって既存の債務の返済に充てただけに、本質的な問題は早晩ぶり返すことになることが想定される。複数の国が寄り集まるユーロ圏らしい解決の方法ではあるが、ギリシャの離脱問題は今後再燃する可能性が高い状況だ。

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3位 4月 日経平均久々の2万円台回復

4月10日、日経平均は瞬間ではあったが、相場の朝一番に2万円を回復することができた。久々の2万円台回復で、ドル/円も買い進まれた。この動きがドル円の125円台を回復するきっかけとなったが、今のところこれが逆にピークとなっており、年末に向け円高に進みかねないほど、相場の地合は変化を見せている。2万円台は近くて遠いレベルというのが直近の相場状況だ。


2位 中国人民銀行まさかの切り下げ

国内は盆のためほとんど相場も動かないとタカを括っていた最中、中国人民銀行がやってくれたのが8月11日の人民元の切り下げだ。市場は大きく反応しドル円も下落を誘うこととなった。

いわゆるPBOCショックで、8月24日のNY株式市場スタート寸前に瞬間暴落が起こり、為替もドル/円が瞬間的に116円台をつけるという暴落を演じることとなったのは記憶に新しい。

この動き以降相場は一変しており、引き続き二番底の可能性を引きずりながら推移している状況だ。いよいよ中国景気の悪化が現実のものになってきたと警戒する向きも多いが、実態としては以前から悪化していた景気について本当のことを言い始めただけという見方もある。

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これがテールリスクとなって世界的な暴落相場を引き起こすことになるかどうかは依然不透明な状況だ。


1位 米国FRBとうとう上半期利上げせず

2015年金融市場の最大のイベントとして想定されてきたのが米国の利上げだ。FRBのイエレン議長はテーパリング終了後半年といったタイムスケジュールを口走ることとなり、早ければ4月、遅くとも6月には実施が見込まれた時期もあったが、9月17日のFOMCでも結果は見送り。中国経済や新興国経済の悪化を思えば、すでに年内実施も覚束ないとの見方も台頭しはじめており、市場は正確な判断がつかないまま半期を終えようとしている。

この先も10月末、12月と利上げの可能性を追いかける相場が継続することになり、良好な経済指標がでればドルが買い上げられ、指標が悪化すれば利上げ後退で売られるというクリティカルな相場展開が続きそうな状況となっている。

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以上がこの半期為替市場に影響を与えたニュースのランキングだ。ご覧いただくとわかるとおり、その半分以上がまだ解決の道筋がついていない内容ばかり。年度後半もこれらが引き金となって市場が大きく動くこともあり得る。相場の動きからますます目が離せない。(ZUU online 編集部)

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