今や最も身近なデジタル機器となりつつあるスマホ。今では、肌身離さず持っている人も多いのではないだろうか。そのスマホを活用して投資の効率化を図ったり、お金の感性を洗練させたりするアプリが登場してきている。

この投資情報アプリや家計簿アプリはすでにいくつも出てきつつあり、日米のフィンテック関連のベンチャーがこぞって取り組んでいる。そのおかげか、さまざまなアプリで投資や家計を効率化できる時代になっているといえそうだ。

そこで今回は、投資やマネーの管理に生かせそうなアプリを3つ紹介する。具体的には、積立投資を加速させられる「ACORNS(エイコーン)」と米国の市場に上場されている株式・上場投資信託を無料で取り引きできる「Robinhood(ロビンフッド)」、加えてテキストメッセージで貯金を励ましてくれる「Dyme(ダイム)」の3種類だ。

端数のおつりを投資に回す「ACORNS」

英語で「どんぐり」を意味している「エイコーン」。ウォルター・クルテンデン氏とジェフ氏の親子が立ち上げたアプリで、3度の資金調達で合計で約38億円を集めたことからも注目されている。現在ではまだ、日本国内でのサービスは始まっていないが、その機能は画期的だ。

Acorns (写真=HPより)

決済アプリも兼ねるエイコーンでは、クレジットカードでの決済も行える。カード決済が主流の米国では特に、日常的に使えるものだ。その点では、日常生活を直接、投資に結び付けられるアプリといえそうだ。

ただ、このアプリの画期的な点は、こうした毎日の支払を処理する方法にある。というのもエイコーンで決済するだけで、積立投資を行えるからだ。仕組みはこうだ。エイコーンを使って決済をすると、現金では小銭で戻ってくるような、端数のおつりを四捨五入した金額を支払う。切り上げて余分に支払われた金額で、投資信託を購入することになるもので、切り上げた端数の金額が5ドルに達するたびに、投資信託の購入に回せるという。

どうしてこのような仕組みが可能になるかというと、エイコーンがアプリの提供のほかに、投資助言会社と証券会社の役割も兼ねているからだ。フィンテックにも詳しいマネーフォワードの瀧俊雄取締役兼Fintech研究所長はブログで、ユーザーは「投資助言会社と投資助言契約を結ぶと共に、証券会社(としてのエイコーン)での口座開設を行う」と解説。

また、「ものすごく身近でためやすいラップ口座」だと、同氏はエイコーンの特徴をまとめる。