所得330万円の税額は33万円ではない!
③税額計算
ここまでを経てようやく所得税額の計算となる。所得から所得控除額を引いたものが「課税所得」だ。これに税率をかけたものが所得税額となる。税率は、所得195万円までは5%、195万円超330万円までは10%と所得額によって段階的に高くなるように設定されており、4000万円を超える部分に最大45%の税金が課される(2015年11月現在)。この方式を超過累進課税方式といい、所得が基準額を超えた分にだけ高い税率がかけられる。
例えば所得が330万円であれば、195万円までは税率は5%なので9万7500円、195万円超330万円の部分は税率が10%なので13万5000円となり、合計23万2500円が所得税額となる。330万円税額に10%の税率がかけられるわけではない。
④税額控除
所得税を計算した後、最後に税額控除を計算する。税額控除とは、所得税額から税金を直接差し引けるもので、認定NPOへの寄付金等が対象となる。
これらの計算を行った上で、翌年の3月15日までに確定申告書を提出することが必要だ。確定申告しない場合、納税額に対して最大20%の「無申告加算税」や利息相当の「延滞税」をペナルティとして払うことになる。
所得税を節税するためには
所得税を節税しようと思ったら、「収入を減らす」「所得を減らす」「所得控除を増やす」「税額控除を増やす」ことだ。節税のために収入を減らすことは本末転倒だが、必要経費を漏れなく計算に含めることや、65万円の青色申告特別控除を利用することはできるはずだ。所得控除も漏れなく計算に含めるとともに、生命保険や小規模企業共済制度等を検討するのも手だ。税額控除も適用できるものがないかチェックしておくと良い。
新井 良平・経理ライター
中小企業から上場企業まで規模を問わず経理や税務を経験。日々の経理処理から開示業務、IFRS、内部統制、経営分析、税務申告、移転価格など幅広い経験を基に複数メディアで記事を執筆。
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