肯定派と反対派それぞれの意見
まず肯定派の意見は、「52円で挨拶できるのは安い」「出さないと気まずくなる、印象が悪くなる」「取引先にアピールできる」「上司にアピールできる」「日本では律儀さ・真面目さが評価される」「プライベートなことなどの近況も報告できる」――などがある。日本人独特の特性とも言える「真面目さ・律儀さ」を年賀状で相手にアピールするという考え方が多いようだ。
次に否定派の意見としては、「個人情報を出したくない」「相手が負担に感じるかもしれない」「1枚52円でも枚数が増えると負担になる」「年末の忙しい時期に面倒くさい」「裏書きの言葉が思いつかない」――といったところだ。メールやSNSの普及により、手書きの作業を面倒と感じる人も多いようだ。また、個人情報の流出などを恐れる声も上がっている。最近では、会社で虚礼の一種として、禁止されているというところもある。
ビジネスでプラスに働く年賀状の書き方
もらって困る人がいるという指摘もあるが、そこまで難しく考える必要はない。たいていの人は、年賀状をもらって嬉しいか、特に何も思わないものだろう。
しかし失礼があってはいけない。例えば表も裏も印刷だけの年賀状を受け取ったらどう感じるだろうか? 相手にも「味気ない、手抜きの年賀状」と思われるだろう。
具体的に書くときのコツとしては、上司に対する年賀状であれば、仕事に関することやプロジェクトのこと、感謝の言葉など一言手書きのメッセージが欲しい。取引先に対しても前年の仕事でお世話になったお礼の言葉など一言添えると良いだろう。
また相手との関係性により使う言葉にも気をつける必要もある。目上の人には「春・賀正・初春」などの簡素化した賀詞は使ってはいけない。取引先や目上の上司には「謹んで新春のご祝詞を申し上げます・新春のお喜びを申し上げます」のような挨拶文、「謹賀新年や恭賀新年」などの四文字賀詞が良いとされている。
賀詞やあいさつ文などを使い分けることがビジネスでプラスに働く年賀状になりそうだ。また、子供や家族などの写真入りの年賀状はビジネスには向いていない。ビジネス用とプライベート用の年賀状は分けた方が無難と言えるだろう。