図表でみる中国経済(所得水準編)
(写真=PIXTA)

記事やレポートでは通常前提として省略されることが多い基礎的な経済データを、図表を用いて素人にも分かり易く解説し、理解を深めていただくことを趣旨としている。

今回はその第二回目として、中国の「所得水準」を取り上げ、国際比較などの図表を用いて解説している。中国経済に関する新聞記事やレポートを読む上で、その一助となれば幸いである。


中国の所得水準は向上し、タイを上回る

国民の平均的な所得水準を表す一人あたりGDP(*1)を見ると、中国は46,652元(2014年)。2004年には12,400元だったので、この10年で約3.8倍に増えている。

平均為替レートで日本円に換算すると約801,848円(1元=17.19円)、米ドルに換算すると約7,595ドル(1元=0.1628ドル)となる。改革開放が始まった直後の1980年、中国の一人あたりGDPは世界第120位に位置していた。その後も120位前後で推移した後、徐々に順位を上げ、2011年にはタイを追い抜いている(図表-1)。

図表でみる中国経済 所得1


但し、日本の5分の1程度に留まる

このように世界順位は年々上昇してきたが、現在でも第80位と全187ヵ国・地域中では中央値よりやや上に過ぎない。G20諸国の中で見ても下から4番目で、日本に比べると5分の1程度に留まっている(図表-2)。

そして、世界順位がそれほど高くないということは、経済発展に向けたテコ入れの余地がまだ多く残ることを示唆している。

図表でみる中国経済 所得2