REIT組み入れオフィスでも稼働率上昇へ

国内投資家の間には、オフィス特化型REITに注目する向きもある。特に、代表的なオフィスREITに組み入れられているビルでも、空室率が大きく低下しており、稼働率が上昇するなど、業績の向上を見込める状況だ。

REIT市場全体のフラッグシップ的な存在となっているのが日本ビルファンド投資法人(NBF) <8951> とジャパンリアルエステイト投資法人(JRE) <8952> だ。いずれも2001年9月10日に第1号、第2号銘柄として上場した銘柄で、時価総額で7000~8000億円に達する大型ファンドとなっている。

NBFは三井不動産 <8801> を母体とし、住友生命からも35%の出資を受けている。同ファンドでは、2015年8月時点で、東京23区内に79件の不動産を保有。そのうち34件が、都心5区に立地している。今年に9月の空室率は全体で3.3%、都心5区で3.5%と低水準を維持している。

一方で、JREは、三菱地所 <8802> が設立し三井物産 <8031> も10%出資している。2015年9月の保有物件数は70、取得価格9277億円でNBFに匹敵する規模だ。NBFと比べより都心志向が強く、都心5区の取得価格比率は67.2%に達しており、当該区で2014年に4物件(536億円)、2015年に2物件(166億円)取得している。2015年9月の空室率は2.3%とほぼ満室状態を維持している。

ほかにも、オフィスビル特化型として、積極的に投資している大和証券オフィス投資法人 <8976> などもある。同ファンドのポートフォリオの87.7%はすでに都心5区物件だが、2015年5月期の資産運用報告では、「今後も東京主要5区を中心に厳選したオフィス物件を取得し、ポートフォリオの価値向上を図ります」と述べており、都心集中型の投資を継続する模様だ。